技術部の壺の中 — Vol. 118 [買う側と売る側の品質]

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みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

最近、新興勢力の会社が増えてきて、昔からの考え方やプロセスが変わっている。
時短や経費節減で、自分達の作業を減らして、メーカー側に質問を多くする。
また、動作確認する能力に乏しい会社が多いのも、老舗ではない振興の会社の特徴だ。
相手に過剰に聞くのは、自分達が「知らないんです」と宣言していることと、同じだと言うことに気がつかない。
と、きつい文句を言うと、SNSの中傷とおなじように処罰されるので、ほどほどにしたい。
で、例えるとどうなのかというと、ストレートに事象を言えないから、秋葉原でのシーンに言い換えると。

電機部品屋さんに学生がLEDを買いに来ました。
学生:「LEDを売ってください。ところで、これはどう使うと良いんですか。」
お店:「自分で調べてください。」
これは、昔、秋葉原で実際に会話されていた内容。
まあ、店の方が正しい。
自分の工作に使う型番の部品を買いに来ているので、知らずに買うのはどうかしてる。
でもね、今時の秋葉原の店員は、親切に教えてくれるところもある。
そうすると、違う部品はどう使うのか? と、際限なく聞いてくる。
店側の責任ではないから、この会話が間違っていても店側に責任はないんだけど、こういうことを聞く人は誤解も激しく、間違っていたらこっぴどく店員に「嘘をつかれた」という書き込みを平気で行う。
店員の親切が仇となるけど、そんな事はお構いなし。
似たことが、最近のシステム設定の会社にも見られる。
普通に使えば使えるものを自分達のシステムで使うと、故障が多い。
そしてその責任を部品を売っているメーカに転嫁する。
「自分達が使うと壊れる。解析してください。」
そんな感じだ。
まあ、大手のソニ●でも、PCファンの振動を振動センサーが拾って停止する事をとある部品の責任として部品メーカーに調べさせていたから、似たような事は起こる。しかし、自分達の製品として売る前に評価して、そこで見つけた問題であるから、やはりこれも評価が徹底してる会社と言えると思う。

[いらついたときは、甘い物]

老舗のNTTもちゃんとしている。(たまたま一部のグループなのかもしれないけど)
自分達で動作検証して、調達予定の製品や部品が使えるかを確認する。
昔通りに評価して、使用できる様に確認して、不具合点は修正して使う。
導入まで、半年から1年ぐらいかけるけど、やはりそういう作業の進め方は大切な事だ。
そしてその評価の仕方はフォーマット化されていて、計画がしっかりしていて妥協がない。
悪く言うと、古くさくて、形式っぽくて、のっさりしている。
しかし、その堅さが堅実なシステムを構築する。
目指している世界も、エラーセーブの高い設計だし、根本から違う。
さすが、NTTって感じだ。
元々出身学校もハイクラスだから違うんだろうし、いろいろ違うと感じる。
だから、責任を自分でとれるし、まずどこがの会社の不適当な設計で、自分達が共倒れになるリスクも低減できる。
この精神を忘れている今の日本の会社は、「中国製品の質が悪くて、不良が出ちゃいました」と、平気で言うのだろうけど、質が悪いものをなぜ売った!! って話でこじれる。
「それは、安いからそういう品質で、十分理解されていると思っていました。」
とか言われたら、困ってしまう。
(これはフィクションの会話で、実際に見たことはないです。)
だから、中国製であっても、きちんと自分達の基準でチェックして、自分達の製品として販売する努力は必要になる。
だって、不良だって責任とらされるのは自分達になるから。
このあたりは、なんかソロバンをはじいて考えている人達も多い。
交換の保証は何パーセント見ておけば良いとか。
チェックするより交換した方が安いからだと思う。

買う方も、「こういうものかな。」って、言いくるめられて、2度とその会社の製品は買わないと思う人も少ない。
まあ、店の名前も変わったりしてるし。
それに、ただ高いだけの『嘘物』では無くて、ちゃんと品質が良い物を買う事によるストレスの低減を選ぶことも少ない。
頑張って高い物を買っても、「100均と変わんないな。」って失望も多いからだと思う。100均品質を高く売る『嘘物』の存在がそうし向けたと思う。
結果、良い物を買うという事から、品質の見極めにつかれた人達は、脱落を開始して、正直に良い物を売っている人達も没落していった。
だから、今一度、NTT的な企業精神が生き残って、社会につながって欲しいと思う。
NTT褒めても何ももらえないけどな。
っていうか、昔払った7万円の電話の権利費用を返して欲しい。
あれ、なんか、別なところでだまされていたかも・・・・。

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