技術部の壺の中 — Vol. 108 [モーターショーで、黒がさえる]

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みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

東京モーターショーが、始まって終わった。
短いよ。
幕張の時は、3週ぐらいやっていた気がする。
ただのイメージかな。過去のことだし。
で、モーターショーで車はあんまり見なかった。
「CB650が良いなぁ・・・。」とか、またがりながら
感じていた。で、注目したのは、展示用のLEDディスプレイ。
前回のモーターショーで使われていたのは、透明な球型や
砲弾型の3~5mmの大きさのLEDだった。
今回の壁をみると、黒いプラスチックに、小さなLEDが
ついた物が多く使われていた。
ああ、なんかCRTとか液晶テレビとかのデジャブを
見ている感じがした。

画面の”黒”をどう表示されるかが、ポイントだった。
黒が暗いと”0″の輝度の下が下がり、表現できる明るさか増え、
それに伴って色が増える。
昔のブラウン管はうっすらと灰色。全部消しても、真っ暗には
ならない。
LEDパネルの場合もバックライトが一定で光っている光を
遮光して黒を作ると、真っ黒にはならない。
暗くするには、バックライトを消さないといけない。
表示するときは光っているので、黒が黒で有る必要はないのでは?
と、思うかもしれないが、人の目は光っているところと、
暗いところの差で、明るいか暗いかを判断している。
同じ明るさでも、周囲が暗いと明るく見える。
この効果から、逆に周囲が明るいと(黒になりきれていないと)、
表示している映像もぼやけて見える。
はっきりシャープに見せるためには、光らないときに黒に
見せる必要があり、それが技術だ。

LEDディスプレイの場合、2年前はただLEDが並んでいる
だけだった。そのため、LEDの素材の色が見えていて、
LEDが消えても、真っ黒くならない。暗い所だったら、
LEDが消えたら真っ暗なので、こういう表示でかまわないけど、
室内でLEDが見えると、余り良くない。
黒く見せることが必要だ。
今はLED自体が小さく、少し大きめの黒のプラスチックに
乗っている。
これにより、LEDが消えているときは、プラスチックの黒が
見えて、画面全体が濃い黒に見える。
明らかに明暗をつけて見かけのダイナミックレンジを広くする
作戦だ。


そう言う2年間の違いが見れた。
モーターショーは、有意義だった。って、車、見てない。
日産もトヨタも、どこ??? って感じだ。
宇宙開発とか、ドローンとか、トラックとか・・・・
普通な車、あんまり見てないんだよね・・・。
とにかく、よく歩いた展示会だったけど。

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