技術部の壺の中 — Vol. 123 [代理店の役割]

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みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

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最近の代理店のコーディネート力(りょく)は、低い。
例えばスマホを車に取り付けで制御するシステムを提供したいという場合に、スマホの固定方法をスマホメーカーに聞く。
社内で、
「スマホをタクシーに固定して、走行管理や勤怠、規約石へのサイネージ映像の受信に使かおうと思うのですが。」
「スマホも取り付けて良い場所とか、電波とか、熱とか、そういう問題を補償してもらわないといけないから、事前にスマホメーカーに問い合わせて、確証をとっておけ。」
多分、そんなこと言われたりしているのかもしれない。
人が手持ちで使うことしか考えていないiPhoneとかを勝手に使うのだから、それは自分達の保証範囲だろ。と言う事をなぜか理解していない方が多いみたいだ。
なにか誤解している。

ビルの建設業者が、
「このコンクリートで建物を作っても、強度が大丈夫か?」
と、コンクリートメーカーに聞かない。
それは設計会社が調べる事だろう。
当たり前の事だけど、最近のコーディネーター達は、コーディネートする人自身が、自分達のシステムに使うことが出来る材料を吟味するはずなのに、
「こういう使い方が出来ると、物と一緒に提案からしてほしい。」
というスタンスになれすぎで、提案されるままに物を使おうとする気質が高い。
商社って提案を作るから意味があると思うのだけど。
だから、昔通りに提案できる商社が、今は強いはずだ。

力が無い商社は、アプリが動かないとかも、端末のメーカーに問い合わせているみたいだ。自分達のアプリを作り込む力に欠けている。
他のgoogleやAppleのplayストアからダウンロードするアプリは動くのなら、自分達のアプリがおかしいって、単純な結論になるはずだけど、アブリが動かないのはここが問題だから、システム側を修整して欲しいとか要求する。
そんなバカな。
市場で販売されている物は、すでに何かのコンセプトを持って作られている。買う側に合わせて作るのは、オーダーメイドだ。すでに出来ていると言う意味の、既製品ではない。

そして、オーダーメイドは数量の影響を多く受ける。
携帯の設計は数千万かかるので、単純に割っても1万台作っても1台あたり5000円の設計費用がかかる。
それ以外に材料費や筐体設計、試作やサンプルの製造費などが乗ってくる。
生産以外の費用を100円程度に抑えたいのなら、100万台の生産が必要になる。
そういう世界で競争しているので、受信感度が悪いから良くして欲しいとか・・・
時速30kmで走行する原チャリに60Kmで走れって言っているもので、発売されているモノは経年劣化で能力低下こそあれ、能力が向上できるように修正は出来ない。
だから、30Kmで走るのがイヤなら、早く走れるバイクを買うべきだし、30Kmで走っても支障が無いようにシステムを作った方が良い。
既製品を変えるのではなく、既製品を評価して、それに合わせてシステムを設計すべきなのだ。
今作っているアプリの方が、今作るのだから動くように作るべきじゃないかな。
それは、不具合に対して、それを放置??ってことでは無くて、そもそも使う方がまずは評価をして使用できるかどうかを検証すべきだろうと言うこと。
NTTや老舗の会社は、本当に長い時間かけて、深く検証してから導入する。
だから高度なステップまで実施時には実現することが出来る。
ダラーと怠けているのでは無くて、多くの検証を行って、使用した時に不具合が起きないようにしている。
車とかもそうだよね。

最近ではとにかく時短の傾向で、素早く提供って事を行うけど、なんか、導入してから仕様を変更したり、その変更で出来ていた部分がミスマッチになり修正が必要となったり、その修正のしわ寄せは立場の弱い会社がかぶる的な・・・そして力量が無くて八方塞がりで時間が経過して、プロジェクト全体が破綻・・・って、今時は結構あると思う。

消滅しているプロジェクト、世の中に結構ある。
力不足って事が理由としても、その対象は、ごく少数に集中しやすい。
結果、その少数が切られて終了。
責任は、全体だと思うけれど・・・。
やばい、ホラーだ。

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