2020年指定図書- 「キャパとゲルダ」vol. 3

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みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

ブログの権利はニー株にありますが、今回のブログに限って、私は転載やコピー、引用などはとやかく言いません。自由にコピペして良いです。


[3] クライマックス
どの部分に注目するか、スポットライト
[4] コース分け 3種

大抵の小説に対しての感想は思ったことだから、
アンケートみたいに「賛成」、「反対」、「どちらでもない」って、反応があるはず。
読んだ物語を褒めたり、共感したりって反応は、ネットに書かれる反応ぐらい、本来は多様に別れるはず。
なのだけど、この本はドキュメンタリー的な内容。
そもそも、史実を表記しているから、感想部は書きにくい。
歴史の教科書の感想文を書けって言われているのと同じ。
否定も肯定も無い。
「いやぁ、歴史ってすごいっすね。」
ぐらいの感想になる。
だから、この場合、
・戦争について
・戦地について
・キャパとゲルダの関係
・仕事についての取り組み
・共同作業
など、軸がたくさんありすぎて、テーマが難しい。
取りあえず、
「賛成」
「反対」
でわけて、賛成は戦争と写真の共同作業についてテーマを分けたいと思う。
賛成とは書籍の内容に対しての賛成。
反対は、書籍の内容を否定する意味での反対。
感情を両極端に振った方が書きやすい。
この3パターンに分けて行こうと思う。


「賛成」- 「戦争」
キャパとゲルダの行動に対して、実際に進む戦争がどう立ったかを書いていく。
しかしこれは正解では無い。
戦争についてのポイントは、そもそもの目的では無いから、余り書かれていない。
このテーマでのポイントと記述は、
「フィルムは、キャパや多くの写真家達のようにある意味、難民となり、祖国を追われ大海原や大陸をさまよい様々な景色を目のあたりにしたのだろう。」
「1955年、ニューヨーク近代美術館は『人間家族』と銘打った写真展を開催した。この写真展は世界十から選び抜いた写真を恋、結婚、子ども時代、母と子、死と言ったテーマごとに分けて展示された・・・写真にそえられた分の一つには、「わたしたちは一体となるだろう」とある。・・・しばしば、敵も同じ人間だと言う事実に直面した。」
このあたりの文が引用として使えると思う。

「キャパはゲルダを愛していた。1937年の春に求婚したらしいが、キャバとの間に差を感じたゲルダは、戦場に残る事を選んだ。
キャパがゲルダと行動を別にしてパリにいた頃、戦地見せられたゲルダは戦闘機の空爆の中にいた。
近づいて、近づいて、その戦争がもたらす戦闘機の攻撃を伝えるため、ありのままの姿をとらえる為にスペインのブルネテの空を見上げていた。
キャパからもらったライカを手に、トラックの荷台に座っていたゲルダは、悪路の起伏に振り落とされ、そこに戦車が通過した。
ゲルダの死を知ったキャパは第三者的な立ち位置から、最愛の人を失い、初めてその戦争の当事者になった。」

この前に、
「キャバは写真を変えたと言われている。それまでの記念写真から躍動感あふれる写真を見る者に送り続けた。キャパはこう言っていたという。
「写真にどこか足りないところがあるとしたら、それは十分に近づいていないからだ。」
言い換えると、それは被写体と撮影する自分を分けて考えるという事であると思う。戦争をファインダーを通して自分の日常から隔離して第三者目線で観察したいたように感じた。」
と書いておけば、当事者になった文とつながるかなと思う。

戦争描写はゲルダ・タローが1937年7月の最後の時間からの1939年の内戦終結までの間の2ページ程度(206~208ページ)に表示されていて、そこだけで、「世界最高の戦争写真家」としての地位を築いたと書かれている。
それはゲルダ・タローを失った後のことであるし、戦地の悲惨さと隣人の決別とどちらがキャパにとって不幸か、その表現さえ難しい。


「賛成」- 「写真と共同作業」
これが王道かと思う。
ラーメン屋でも何でも仕事があるからドラマがあると言う展開。
互いに写真という新しい技術で有名になろうとして、その対象を風景、人物の写真では無く、当時の人達の興味を引いた報道写真という形で実現しようとした。
被写体の状態が悲惨や憎悪が募る事に対して、関心は大きくなっていく。
ファシストへの脅威、ユダヤ人迫害、ソビエト連邦の共産体制の勢力と開放視野という民衆の集団。それらはヨーロッパの脅威につながっていたし、反キリスト教文化や女性の進出など、民衆の好奇心の燃料投下に事欠かない。

人の不幸を飯の種にしているとも言える。
■キャパの写真の抜粋
キャバは1936年5月でのパリのストライキを伝える写真を撮っていた。
それがよく売れた。
「ルノーの自動車工場での大規模なストライキの写真」など。
1936年 9月 写真タイトル「くすれおちる兵士」
1936年12月 「貼り付けにされた首都–本誌マドリード特派員キャパによる驚愕の写真」パリ・ルガール誌

キャパは、ライカを使っていたようで、後にコンタックスに変える。
日本では先に入ってきたライカが有名。
この時代は映画のフィルムを流用できる35mmフィルムが使える小型の手持ちカメラが最先端の人気機種。
今もあるプローニー版のレフレックスカメラは大きくて手持ちには向かない。
彼らの行動を可能にしたのはそう言ったカメラの進歩もあると記されている。
(40ページ)

■ゲルダに関する抜粋
・「地方の村に行くと、『女性がズボンをはいているぞ!!』と言われたものです」とアナーキストの女性は言っている。「ズボンをはいていると言う理由で、両親は私を家から追い出しました」
拳銃でねらいを定める女性の姿がゲルダの代表作になる。
(54ページ)
ゲルダはこれを元にズボン姿で活動した。

・女性達がこの歴史的戦いにどのように参加しているかを示すことになる。
それまでスペインでは、女性が武器を持って戦うことは許されてはいなかったので、女性が兵士や警官になることなど想像すらできなかった。
(56ページ)
ゲルダが使ったカメラはフレックス・コレレ。
1937年6月にキャパが使っていたライカをもらう。
キャバがより高性能なコンタックスを使い始めたため。

■キャパと報道写真
「キャバは写真を変えたと言われている。」
それは写真に動きがあって撮影されていた。
フィルムの性能向上と小型化がその躍動感を可能にした。
もう一つは、一枚の写真に納めるだけではなく、前後の関係をセットにして写真を撮ったと言われている。
葬儀の写真ならば、参列者やその悲しみ、会場に集まってくる様子など、絵物語のように組で提供した。それが喜ばれたと聞く。
写真は静止画としての記録だけれども、それを見ている人達には想像される一連の感覚がある。
その感覚を誘導するきっかけになることが、写真もつ意味に感じる。
写真は、感情の引き出しを開くきっかけに過ぎず、うまく扉を開け目事が出来る写真が、優秀な作品と言える気がする。
—-
「1955年、ニューヨーク近代美術館は『人間家族』と銘打った写真展を開催した。この写真展は世界十から選び抜いた写真を恋、結婚、子ども時代、母と子、死と言ったテーマごとに分けて展示された・・・写真にそえられた分の一つには、「わたしたちは一体となるだろう」とある。・・・しばしば、敵も同じ人間だと言う事実に直面した。」
この文を引用して、報道カメラマンの作業は、その一ページを切り抜いて、見ている者達にも同じ共感を得る事を可能にした。
それこそが、共感がもたらす人間の一体感なのだろう。とか。


「反対」-「写真と共同作業」
互いに競争したのは良いけれど、結局、遅れをとったと感じた方が無理をして、チームワークを乱してしまったという結果を生む。
もう少し出来ると感じたゲルダが無理をしてしまった。二人はその後、一緒に中国に行く予定だったと聞く。東洋は新天地で新しいテーマを提供できるはずだったので、危険な前線での作業も減らす事が出来るはずだと思う。
しかし、そうはいかなかった。
対等にいたいと思う気持ちが、ゲルダに功績を急がせ、危険に導いた。
そもそも、キャパは戦地は嫌いだった。
怖いと漏らしている記述がある。
キャバは、
「敵を見たいのです」キャパは答えた。「われわれは、まだ敵に遭遇していません」(96ページ)

銃撃がやんで三人が立ち上がると、動揺したキャパは便を漏らしていてズボンを汚していたので、ちょっと待ってくれ、と声をかけた。(97、98ページ)

このようにキャバは、パリのデモをとっていた方が良かったと考えていた事も感じるし、特異な売れる写真が撮れれば、それは戦争で有る必要は無いとも考えていた。
ヨーロッパの関心がファシスト=悪の報道とそれに対抗する者たちの活躍を知りたがっていただけ。互いに共同で作業を使用としていたコパン(友人)という関係だったり、恋人だったりという関係でありたがったはずなのに、要求される好奇心に行った行動の違いが、二人の活動を別な未知に歩ませていた。
共同作業で有りながら、それぞれの名前で写真を発表する。
もし、ロバート・キャパと言う名前がチーム名ならば、二人は別に活動しなかっただろうし、生死を分けた競争も生まれなかったろう。
しかし、こういうことは今の時代にも良くあることなので・・・・

見たいな方向はあるかと思う。

スペイン内戦の進行について、体制がどう変わっていったかも書かれているけれど、それは題材として書きやすいと思うし、普通に書くと思うので、ここでは触れない。

関連ブログ
2020年指定図書- 「キャパとゲルダ」vol. 1
2020年指定図書- 「キャパとゲルダ」vol. 2
2020年指定図書- 「キャパとゲルダ」vol. 3
2020年指定図書- 「キャパとゲルダ」vol. 4 : サンプル1
2020年指定図書- 「キャパとゲルダ」vol. 5 : サンプル2
2020年指定図書- 「キャパとゲルダ」vol. 5.5 : サンプル3
2020年指定図書- 「キャパとゲルダ」vol. 6 : サンプル4

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