技術部の壺の中 — Vol. 80 [続きの一年保証]

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みのむしクリップ

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主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

前回の続き、
電化製品は、だいたい一年間無償保証というのがついている。
買ってから普通の使い方で一年間無償修理、交換を行いますと
いう宣言。

ユーザー側に対して購入する時の安心感を与えるのが、主な目的。
副産物として、ユーザークレームを軽減したりする。
不良が発生しやすいのは、生産直後だから、メーカー検査が十分では
無く品質が悪化したときには歯止めとなる。何より、クレームが怖い。
輸送費は無駄になるけれど、万が一不良を出した時には、無償交換に
よって顧客の気持ちも和らぐ。

品質の観点から見て、
初期時の不良は発生しやすく、経年劣化などの寿命が来たときが、
次に不良が発生しやすい。
よく「バスタブ曲線」と言われるやつ。

で、1年の期間は初期の不具合なので、ぶっちゃけ、1ヶ月使えば
その後の1年間に発生する不具合は少ない。
逆を言うと、なぜ1年というのかが、疑問。
いつからなんだろう。
秋葉原で売ってるバルクのHDDは、保証期間は 2週間。
工場に納品される部品は、大体が着荷 90日。
3ヶ月や半年が普通の場合の保証期間。
だから、電気製品が軒並み 1年保証というのかよく分からない。

あと、延長保証についても、2年、3年というのは誰のためか。

この保証、バッテリーなどの消耗品や落下などによる破損が
含まれないことがミソだ。
それ以外の要因で、何が壊れる??
私は3年経過してすぐ壊れたけれど、そもそも1年しか入っていなかった。
だから、正解と言えば正解なのかなと思っている。
まあ、延長保証は微々たる金額ではあるのだけど、確実に交換したい
バッテリーがこの保証に含まれていないのは、いけてない。
これ、実情はどうなんだろう。
メーカー側が儲かるのか、ユーザーメリットは高いのか?
正直、PCとかは1年では壊れない。
さすがのソニータイマーも、1年とは言われているけれど、
電解コンデンサーの問題があった時代の話し出し、高分子を使っている
今の時代は、そんなに簡単には壊れないと思う。
電源の消費電流計算が間違っていて、コイルとコンデンサの発振定数が
違っているとコンデンサが発熱してドライアップしやすい。
ドライアップを気にして昔のサンヨーは、耐圧を3倍にと言われたけど、
ソニーは定格で使っているようなので、そのあたりがソニータイマーと
関係しているかもしれない。
これは設計思想だから、どちらが間違っていると言う事では無く、
コンデンサーの性能が追いついた今なら、ソニーの設計思想の通り
十分に機能を発揮できると思う。
ソニーは、デザインがきっちりしていて人気が高い。
だから、スペース重視の部品選定をしているのかもしれない。
サンヨーは割と内部のスペースは、余裕がある作り。
クリップが外部から侵入しない作りとか、そう言う生真面目さは
あったかもしれない。大昔の話し・・・。
サンヨーのPCを知る人も少ない。

話は戻るけれど、PCもそんなに壊れないから、3~4年の間が壊れ時だ。
この区間を保証する事は多分無いと思う。
買い換え時期 = 製品寿命 と言う考えからかもしれない。
15万円 ÷ 3年 = 5万円/年
この価値が、PCを使う人にあるかどうか。それはあまり語られない。
とにかく、ソフトを使う人はPCが必須だし、使わないという選択肢は
ないから。
でも、月4800円レンタルなら、これは高くないのかもしれない。
と言うのも、レンタルは完全保証だから。
バッテリーも新品対応。
リースと違うところは、消耗品の交換や壊したときの責任区分の
違いだと思う。
でも、買って3年という期間を考えると、そう言う使い方もあり得ると
思う。今後、データやソフトがクラウドサービスになると、物理的な
PCは町中でもレンタルできて、自分の設定のまま使えると言う時代が
来るかもしれない。
その場合に、1年保証という必要性はユーザーには意味が無くなる。
一年保証の現物か、同じ金額でシステムクラッシュがないクラウドと
レンタルPCを選択するか。
保証の論点が、今の時代は変わってきていると思う。

これは、何も突飛な話ではなく、メンテナンスを義務づけられている
車の車検は、これに近いものがある。
車も買うのではなく、レンタルが増えてきている。
保証やすべてを含めた費用は、レンタルの方が安いのかもしれない。
そのため、今後は経年劣化の寿命がいつなのか、重視されていくと思う。

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