技術部の壺の中 — Vol. 40 [農業 – 被写体との距離]

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みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

目的を忘れてしまいそうだけど、作物についた害虫を
撮影するときの話。
虫を含めてどのぐらいの範囲を撮影すれば良いか、センサーの
解像度と広さを想定したわけだけど、ではどのぐらい上空から撮影
出来るのか。
計算が面倒なので、1600万画素以上を対象にすると、
1600万- 4608 x 3456 — 54.9 x 41.1cm
2000万- 6000 x 4000 — 71.4 x 47.6cm
4240万- 7952 x 5304 — 50.5 x 63cm
この四角い枠をとることが出来るレンズと角度というか、
距離によって、ドローンがどのぐらいの上空にから作物に
近づく必要が有るかがわかる。

そこからが難しい。
何が難しいかというと、もともとレンズと画角の関係は判り安かった。
望遠なら何度だね。50mmと言うと人の目と同じぐらいの感覚だから
標準レンズだね。みたいな。
理由は、35mmフィルムを使うという点が共通していたから。
いま、イメージセンサーの大きさは、様々。1インチだったり、
2/3インチだったり。
それに、レンズの位置も変わってきている。
だから、どのぐらいのレンズが、画角何度か限定できない。
そのだめ、面倒だがら画角で計算する。
標準からやや広角は40度くらい、35mm換算で135mmレンズは、
垂直10度ぐらい、300mm望遠は垂直4.6度ぐらい。
マイクロフォーサイズとかは、2倍程度らしいので、
300mmレンズは 600mmレンズ相当らしい。
取りあえず、この3つの画角で計算すると、

角度を半分にすると直角三角形になり、
画面の半分の寸法と距離の比は画面をy/2とすると、
(y/2) / [距離] = tan(画角/2)
という関係なので、

[画素数] – [40度] – [10度] – [4.6度]
——————————————–
[1600万] – [56cm] – [1.2m] – [5.1m]
[2000万] – [65cm] – [1.3m] – [5.9m]
[4240万] – [87cm] – [1.8m] – [7.8m]

という距離を離れて撮影することが出来る。
2m以下だと、マルチコプターの上昇する風が地面にぶつかり
干渉が強いため、出来ればそれ維持用の上昇が望ましい。
つまり、35mm換算で200mm程度の望遠が必要になる。
デジタルカメラは、イメージセンサーの大きさを
小さく出来るので、擬似的に望遠と同じ効果があり、レンズの
大きさを小さく出来る。
その点は良いけれど、やはり望遠には違いない。

これだけ接近しないといけないし、センサーも高性能。
当然カメラ重量が大きくなり、振動に対して早いシャッター
スピードが必要で、画質も暗くなり、ノイズが増える。
と、難しい。

前に話として、CMOSはブロック毎にデータを取るので、
ブロック毎のズレが発生する。そのため、シャッターも
速いスピードで切る必要が有る。
CCDの場合は、一端、センサーすべての受光を止めるので、
場所ごとのズレは発生しない。
CMOSの場合は、4度ぐらいの望遠で、1/500以上の
シャッタースピードが必要だと思う。
これは、望遠するとわずかな振動も影響するためだ。
また、シャッタースピードが速いと、画面は暗くなる。

これらの事から、虫の観測は、作物に近寄って撮影が必要で、
マルチコプターが気球のようなドローンで撮影することが
良いと言うことになる。
もしくは、完全に地上を移動して撮影するかなど。
ワイヤーでぶら下がって移動するカメラや、ラジコンの
車のようなカメラは近くに寄れるので、つかえる。
でもね地面は移動も大変だし、地面の状態の影響を
受ける。何より時間がかかる。

関連ブログ
技術部の壺の中 — Vol. 35 [農業革命?? 虫探しは大変!!]
技術部の壺の中 — Vol. 36 [農業革命?? ドローンの問題]
技術部の壺の中 — Vol. 37 [IT農業 マルチスペクトルカメラの仕組み]
技術部の壺の中 — Vol. 39 [農業 – 解像度と画面の大きさ]

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