技術部の壺の中 — Vol. 113 [ディスプレイ表示色]

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みのむしクリップ

みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

■画質、減色の話
雑誌で見た今年の特記すべき項目は、
HDR10 (High Dynamic Range)対応のスマホかどうか。
そんな記事を見た。
なるほど、スマホも差別化の一つとして、表示のクォリティを
問題にしているのか。
それってユーザーはどこまで嬉しいのかな。
とも思う。
ゲームで暗闇の部分の人影が見えないとか、
そういうことがスマホのゲームでもあるかもしれない。

地デジ初期の時代に東芝が提供していたSoC(ICチップ)では、
映像は内部10bit処理(RGBそれぞれ10bit)されていたので、
そんなに珍しい話しでもない。
10年前から30bitカラーだ。
表示できるパネルがなかった、というのはある。
24bitに変換して、表示していた。
でも、同時にYoutubeの進出も同じ時期なので、
画像の良さが必ずしも勝利であった時代から新たな分岐が
生まれた時でもあったので、6bitカラーの18bitや20bit液晶も
使われて裾が広がったところもある。
更に、1920 x 1080のFHDパネルなど、画面の画素数が
増えたパネルも使われ出したので、
仕様が分散した時代が、しばらくは続いていた。
それが落ち着いた次に、いま色の話が来ているのだと思う。

実際、色というのは曖昧な存在だ。
なぜ色が必要かは、見ているものを識別しやくする為の
役割だ。本当の色が見えていなくても、かまわない。
白黒で高精細だと写っているものの輪郭がはっきりして、
識別ができる。
次に、水辺と砂浜の色が違うと、境界線がもっとはっきりする。
『緑の中を走り抜ける真っ赤なポルシェ』は、白黒の明るさが
近いので識別が難しいけれど、色を変えると車と緑がはっきり
分離できる。識別は高まる。けど、まず高精細が先だ。

でも、youtubeの普及や画素数増加の陰で、色彩は、社会的に

中断気味だった。
HDMI1.3a、1.3b、1.4とか、映像系のエンジニアは、
シクシクと作業を進めていたのだけど。
でも、まぁ、始めにコンテンツが来るよね。
その後、配信方法とか。自体の流れはそうだった。

そして、高精細の時代になったけど、また、4K, 8Kという
画面のデータが半端ない時代がやって来た。
・・・来たのか? 本当か?

そうなると、やっぱり色数は減らそうぜ、って話に戻る。
だけど、きれいに映す事は当たり前の課題。
データを減数して、どうきれいに見せるかということになる。
そもそも、色数のビットって何って話だけど、
それは単純に明るさ。
赤(R)、緑(G)、青(B)、最近は更に黄色を加えたりするけど、
取りあえず、光の三原色を基本にすると、
それぞれの明るさの階調をbitで表現する。
bitはデジタルデータ。
データの信号線がONかOFFが、それで判断する。
信号が来ているかいないか。それをデジタル信号という。
それをもっと細かく、電圧で区分して、
0V, 1V, 2V, 3V, 4V, 5V として、判断出来たら、1本で6つの
信号を判断出来るよねって事で、情報がふえる。
そういうのが、アナログ信号?
アナログの方が情報が多いときがあった。
はじめのアナログディスプレイは、そういう使い方で再現性が
高く使い勝手が良かった。
でも、スピードが上がって電圧を速く変えると、
電圧の換え際が揺らいで、その揺らぎが色のにじみになる。
そういうことで、デジタルパネルに変わった。
その後、伝送線路は、デジタルだけどアナログ的なLVDSとか
MIPIとか、いろいろ変わってはいる。

と言う事で、デジタルはbitで表される。
1bit = 1(電源ON)と0(電源OFF)の2つの状態。
この組み合わせで、2bitなら4通り。
つまり、[消えている]、[暗い]、[明るい]、[Max点灯]の
4つの状態になる。
赤、青、緑のそれぞれを8bitで表現すると、
8bit x 3色 = 24bit。
6bitの場合は、6bit x 3色 = 18bit になる。
表される色は、この組み合わせで、8bit = 256通り
256階調 x 256階調 x 256階調 = 1677万7216色
16.8M色になる。
単純に 2^24 (2の24乗) = 16,777,216
そして、白黒の状態はR, G, Bが同じ強さの時なので、
256階調になる。
テスト画面で、白黒60階調の「ランプ60」と言うものが
あるけれど、この表示は余裕でこなせる範囲。
均一に白黒のグラデーションが表示されるはずなんだけど、
パネルにRGBの明るさの違いがあると、不自然になったり
色が出たりする。
LCDパネルは、発光体の光を遮蔽している所は同じ素子。
色はカラーフィルターでつけている。
当然、色ごとに人に見える強さが違うので、
R,G,B毎の遮蔽の電圧を調整して、白になる様にしている。
1/256の明るさの違いを調整するから、とっても微妙。
更に30bitにすると1/1024の違いになるから、もっと微妙。

逆に6bitパネルだと、1/64階調の違いだから、
パネルの能力と表示が同じで、きれいなグラデーションが
表示されるはずだけど、大きなブロックでシマシマに
表示される場合は、R, G, Bの調整が十分ではない。
とはいえ、光源の強さは劣化するので、すれては行くのだけど。
こういうことから、24bitと18bitのパネルでは、大分違うことが
わかる。18bitパネルの色合いは浅く、ボケた感じがする。
それで、20bitパネルがあったりする。
3色で割り切れない。
緑(G) : 8bit、赤(R), 青(B) : 6bit ずつ = 20bit
人の明るさの階調は緑に依存するらしく、緑を増やすと
見かけの色数も増えるという事だけど、白黒を作るRGBの
割合は、階調が違うから、ずれが発生しやすい。
ランプテストで、色むらが見えたりする。
難しい。
でも、簡易カメラとかは、RGBが 4:8:4 とか、
もっとすさまじい物もあったので、どうにかなるかもしれない。
白黒にちょっと色がついた感じのトイカメラは目にしたことが
あると思うけど、こういう理由だ。
マイコンで、そんなに速いスピードは処理できないし。
と、こうやって、部分毎にビットを減らす手法は、
最近、再燃しているらしい。
4K, 8Kとか高画素数のしわ寄せかな。

ビットによって、『何色のクレオンを持っていますか』と
言う事と同意語だけど、何色を持っているのかがポイントに
なる。4色しかないって?
それでも、意外とそこそこのカラーに見える。
だって、赤と緑と青の3色の点画でも、結構カラーに見える。
オフセット印刷が4色だからね。
細かく4色に塗り分けられれば、なんとなく色の表現は
出来てしまう。だから、色数よりも、どのぐらい細かく
表現できるか、の方が効果が高い。
だから、色数は減らされてしまう。

では、違和感なく、どうやって減らすか。
これは宝くじのロト6が解りやすい。
ロト6は、1から42までの数字から、6個選ぶ宝くじ。
当然のことから、過去のデータを集めると
1,2,3,4,5,6なんで番号が出る確率は低いし、すべての
番号が17以下になることも少ない。
高い数字も同じ事が言える。
すべての数字が35以上になる確率は少ない。
確率的には均等でも、出現数からいうと真ん中の番号が
多く使われる可能性が高い。
割と多くのパターンを排除出来るはずだ。
色も同じように、人が必要とする情報に特化すると、
とてもたくさんの情報を削る事が出来る。
ネットの配信ではこういう研究が行われていると思う。
それは、4:2:2のように机上で単純に減らすのではなく、
経験則的にデータを集めて、その傾向を分析して最適解を
導き出す・・・ディープラーニング、機械学習的な試行。

かつて、単純に色数を減らしていたよりも情報を
減らして質の向上を狙った取り組みが、ソフト的に
行われている。

そうして、導き出されたRGBの比率、256, 200, 120。
という数値にしたりするとか、そう言う数式が生まれたり
するかもしれない。
(上の数字は適当で、緑は全体の輝度につながるので、
8bitのフルカウント。赤は肌色とかあるので、半分の
128階調よりは少し増やした方が良いかなと言うところ。
青は、人は青に敏感と言うから、少なくても良いので、
少し減らして、120として見ました。)
・・・って、適当かい。

データは、256 x 200 x 120 = 6,144,000色で
24bitの36.6%のデータ量。
あくまでも、色数の話し。
画素数一つに付き1色なので、LCDパネルに流れ込む
データのスピードは、
24bit x 横1920 x 縦1080 x リフレッシュ120fs
= 3.888Gのデータ列。が一秒間にシリーズに送られる。
MIPIとかLVDSとか、4系統で分割して、
3.888G / 4 = 972MHzのクロックで送信することに
なるので、伝送線路は増やさないと軽くギガ超えだ。
ギガったら、余裕で電波になって、エネルギー損失も
起きてしまう。
それは、時速200Kmで、旅客機は飛ぶけれど、車や
新幹線は飛ばない!! って世界と同じで、基板の誘電率で
電波にして放出しない。という技法が必要だ。
そして実際はワイヤーハーネスで配線されている。
ワイヤーは電波を出しやすいから、シールドしたり、
MIPI信号にして電圧を低くしてエネルギーを小さく
したりしている。信号は乾電池の電圧より低い。
だから、パネルって高解像度はお高いのですね。

もう、直接頭に映像を送ることをしないと、8Kなんて
実現できないんじゃないかってぐらい、
ぶっ飛んだ世界を衛星や5Gとかの無線で送ろうと
している。
そんな信号を測定機で測ること自体、オーバースペックだ。

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