技術部の壺の中 — Vol. 07 [製品品質 – 気持ちの寿命より家電は短命]

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みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

平成の時代に入って、物作りの概念は「軽薄短小」に加速されていく。
コストを削って収益を上げる作戦だ。
まず、売れる台数を増やさなきゃ。時代は何でも売れる時代から、
VTR戦争が集結したあまり売れない時代に変わっていたので、
コスト削減の方が優先された。
PCのOSは、windowsが3.1でネットワークの充実と共に花が咲く。
マッキントッシュの先攻は怪しくなり、アップルの衰退。
同時期にwindowsによって、PC98も怪しくなってきた。

アップルの社長がユーザーから受けた感謝の言葉。
「マックは素晴らしい。私は、10年使い続けて、まだ使えている。」
という言葉を聞いて、気を失ったとかしないとか。
とにかく売れないと、儲からないし会社も潰れる。
その観点では、客の手元で即死してくれる商品が良い。
思いつくのは、ソニータイマーの呪い。
そんな製品、いずれは誰も買わなくなるけれど、魅力がある間は
売れ続ける。(魅力が無ければ、選択もされない)

製品は、ある程度飽きるまで使えて、満足出来るもの。
という認識で購入される。そもそも家電は昔は高かった。
品質は良いほど”正義”、丈夫で長持ちが基本。
はじめの時代、商品は客の手に渡った瞬間に客のもの。
その瞬間、保証という商品の責務はおわる。
高いから、すぐ壊れるものは買いたくない。
一方、作る方も電気製品は検査が大変だし、品質も安定していない。
モーター寿命も不明。
すべての不良を検査して出すのは難しい。
—— では、初期不良は保証しましょう。 ——
そうすれば、安心して買ってもらえますね。
高いからリスクも回避したいだろうし。
ということでつき始めた1年保証だと思う。
1年の動作保証という意味では無い。
10年ぐらい動くものを初期不良保証の為、一年ぐらいの期間を余裕で
保証しますという意味合いだと思う。

ここが、平成時代にすり替わってしまっている。
それとも私の認識が間違っているのか、古いのか。
そもそも安くなったしね。ユーザーも一年間ぐらいの使用感覚かも。
それ以上はやばいかも・・・って気持ちも出来てきた。
気に入らなかったら、ネットで書けばいいし。
それでも、3年の期待は持ってはいないかも。

10年使えるものを初期不良の1年無償保証しますよ、で安心を買う。
部品の在庫管理や経年劣化があるので、修理の対応は7年で勘弁して
ください。・・・・という修理保証は、昭和時代。

平成時代は、軽薄短小の結果をごまかし。会社も存続していない
かもしれないし、中国製の保証は中国の会社に言えっ!!!!
て言いたい気持ちの社員もいるだろう。
幸い、PCのOSは定期的に変わる。スピードも年々重くなる。
2年でCPUは古く感じるし、リチウムバッテリーは充放電で1年ぐらい、
ハードディスクは2年、液晶は3~5年という寿命理由で、
自然に製品寿命は短命になった。

作る側にはリスクが減って良いことだけれども、この消費文化は
いつまで続くのだろうか。人がエネルギーを消費して生きているから、
愚問であり、答えは「永遠」なんだろうけど。

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