技術部の壺の中 — Vol. 68 [リチウム電池ばらしました]

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みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

リチウム電池って見ると危険!!、危険!! うるさいので、分解してみることにした。
リチウムが危険なんじゃなくて、電気が入っている電池が危険と何度言っても
一向に理解はされないし、iPod nanoの電池を交換していらない電池があったので
この機会に分解して、中を見せたいと思う。
まあ、ゆーちゅーばー達の動画も悪影響があって、充電しながら突き刺したら、
電池じゃなくても火をふく。
だって、中はアルミ箔。
最近の火起こしは、アルカリ電池とスチールウールのたわしで行うぐらい、
金属片に電気を流すと燃える
という事が、一般認識。アルミと銅箔で出来ているリチウム電池も、電気を
流せば燃える。
電気を流せば、燃える
(大事な事だから、2回言いました)
逆を言うと、電気がなければ、燃えない。
という事で、まずはバッテリーのパックについている端子から、直接放電して
電池をすべて消費しました。
バッテリーは、保護回路がついていて、3V以下の電圧にバッテリーパックが
ならないように保護している。
それは、パックの電圧が2.5Vを下回ると、もう、この世に帰ってこなくなるから。
充電して、復活しても、それはすでにゾンビ化しています。

写真の様に、外した状態では、3.8Vあって普通の状態。
見た目も結構、スマートでしょ。
で、完全にパックを放電して0.1Vを下回る状態にしました。
注目は、パックが少し膨らんでいることが分かりますでしょうか。
この状態で、充電すると、ますます膨れます。
電極の表面には不活性層のSEI層があって、これと電解液が直接触れないように
なっている。規定以上電荷がなくなると電解質が分解されて、ガスがでる。
その状態で充電すると、電気をもらって電解質が分解され、さらに膨れる。
だから、
[モバイルバッテリーでスマホを充電して、モバイルバッテリーの電池が
無くなった。・・・けど、しばらくすると復活するから、もう一回差して
スマホが充電出来るね。]
という使い方をすると、規定値以下に電圧が下がり、膨れるかもしれない。
大抵は、保護回路があるので、この様な事になりにくいけど、
モバイルバッテリーでスマホを充電して、電気がなくなったまま、しばらく
モバイルバッテリーを放置
という事をすると、バッテリーパックの電圧が下がりやすい。
放置するときは、少しチャージしよう。
また、充電終了後にもう一回差すと充電されるよね。ポンプの様に
ぎゅうぎゅうに電気を詰め込めば、たくさん使えるんじゃねーって事も
膨れる原因になる。充電が終了しているから、電気が余っている。
余った電気は電解質を分解しちゃうかも。
まあ、普通に使うことを想定して作られているので、普通に使って欲しい。
放電を確認したところで、中の電極を切らないように、サイドをはさみで
切ります。後は、ペロってめくって、中にティッシュに包まれた白いものが
電池本体。

見た目、お手拭きの紙みたいな感じです。
そして、電解質は、お手拭きの紙より大分少ないです。
注目する点は、端子の部分で、銅箔とアルミ箔の端子が見えている。
プラスがアルミで、マイナス電極が銅。
後は、50mm x 22mm(18~35umぐらいの厚み??)の短冊状の箔が、
銅 4枚、アルミ 5枚で重なっているだけ。
それぞれが並列で束ねられています。

こんなもんです。
薄い箔なので、ライターで多分燃えると思う。
電池の中で、電極同士が互い違いになっているので、中に金属の異物が
あると、電気が流れて熱を持つし、その熱で電解質も分解されて膨れ
たりする。
同じ種類の端子同士が繋げられている部分の処理が悪いと、パックの中で
他の電極と触れて、大惨事になる。
また、こういう構造なので、パックの端子部分を強く持ったり、曲げたりは
絶対にしてはいけない。
リチウムポリマーが衝撃に弱いとか言われるのは、そう言う理由。
どの電池も同じ条件で弱いけど、他の電池は金属ケースに入っていたりする
から、体力があるように見える。
以上、放電すれば、エネルギーレベルが下がり、すべて安全の巻きでした。

[構造]

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