The following two tabs change content below.
自分なんてこんなもん。て思ってしまったのはいつからだったんだろう?
とても古い記憶だったように思う。些細な事ができなくて、人と比べられて怒られたりして
いつしか自分は狭くて暗い箱の中の住人だと思っていた。
たまに褒められたりしても「私にはそんな価値は無いです」と自分から否定していた。
小さな傷は沁みたが、不思議とその狭くて暗い空間は居心地がよかった
そこにいれば大きな痛みは受けなくてすむからだ
狭い箱には窓がついていて、外の景色は見えなかったけどそこからはいつも光が指していて暗い部屋を照らしていた。
いつしか外に出たいと思うようになった。
ただ、出ようとするといつも怖い声が聴こえてきた。それは酷い激痛を伴うものだった
いつも血を流しながら部屋から出た。ほんの数歩の行動だったけど、この景色を見られて本当によかったと思えた。
それは景色が素敵だったのかそれとも勇気を持って痛みと共に外に出た私自身への思いだったのか、その二つが溶け合っているようで私はやっと自分は狭い箱の住人なんかではなかった事を思い出していたんだ。