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品質はどのような要素で決まるか、について。
客の顔色で決まります。
巷では不良について問われることがありますが、市場の製品において不具合は起こりうるものです。
その不良の扱いについて、話したいと思います。
世の中には不良率ゼロで、ユーザーに対してもそう宣伝する必要があるものがあります。
それは、飛行機や人工衛星、ロケットなどがその種の物に含まれます。
不良率 1億分の1です。って飛行機に乗りたいですか?
だから不良が起きない方法を使います。
一定期間で部品を交換したり、操作する人の品質を上げたり、天候などのリスクを考慮したり、客の検査をしたり、バックアップとしての装置をつけたり、ゼロにするための手段を講じます。
だから、そのロジックが正しく動いていれば、事故は起きません。
しかし、実際には事故が起こったりしますが、それは無いとユーザーに言い続けます。
それじゃないと誰も乗らなくなるから。
日本科学未来館にハザードモデルという、ボールが転がる偶発性で表現したものがあります。それは発生したハザードの内のごくたまに大きな被害を起こすというモデルですが、これも、全く起きなく出来ます。
しかし、実際は、津波が来ると大きな被害が出るように、対処が十分にできていないから、被害が起こりえます。
飛行機の場合は、お金をかけてゼロにする。
誰も乗ってくれなくなるから。
防災は、お金をかけてゼロにしない。
人の被害よりもまず、お金がないから。
とも、言えます。
製品における品質は、買う人がお金を払うことに対して、満足する品質であるかと思います。
市場品では、100円均一が売られていて、100円均一と近い品質のものが、100円以上で売られると、
「高い」とか、批判されます。
100円均一という商品が、社会における最低品質としてのラインを作っています。
売り手が、勝手に商品品質のボーダーラインを作った例で、これが300円だったら、300円がボーダーにもなったはずです。
つまり、買う人は、どのぐらいの値段で満足するのか、相対的な評価を多く採用して、自分で判断するのは難しいことが真実です。
100円均一という商品がなければ、100円均一の製品が1000円で売れることも起こりえます。
小惑星『いとかわ』に行ったハヤブサは、トラブル続きで戻ってきて、国民に熱烈大歓迎を受けましたが、そもそもトラブルがゼロでなくてはいけないもの。
現にハヤブサ2は、何事もなく戻ってきました。
しかしなぜか、国民の反応は薄い。
このように不良発生の方が喜ばれるケースもあります。
そもそも売る方からは、作ったままですぐ売り切ったほうが一番コストメリットがあるので、品質がどうかを気にする必要はないけれど、買う人は品質を相対的にみて買うかどうかを決めるので、品質は客の顔色で決まるといえます。
商品の品質や商品の魅力もありますが、それ以外に、客が損しなかったと思えるものがあれば、品質という要素はさほど重要ではなくなります。
ティッシュペーパーのように、使ったら捨てるものの品質は微妙で、きちんと使えなくても、続けて使うことができれば、満足されるものもあります。
ティッシュ配りのティッシュは最低品質ですが、それをたくさん集めて使っている人や、もらうティッシュの品質が悪いので、別にポケットティッシュを買って使っている人もいます。
この両者を自分の顧客として考える必要もなく、適合した客に限定して提供することで、品質を安定して提供できます。
ただ、この顧客も100円均一と同じ現象が起きていて、
『ただで手に入るティシュをわざわざ買う必要はないな』
と思う顧客には手が出ない。
つまり、ティシュをわざわざコンビニで買う人の群が対象となりえます。
そこに『安い』で対抗しても売れるはずがありません。
・水に流せる
・丈夫
・厚い、ボリューム感がある
・保湿成分配合
・やわらかい
というような本来の品質以外の付加価値が必要になります。
ここに、本来の品質はあまり重要視されず、多少紙質が悪くても、保湿成分があれば、それが選択されます。流せるティシュも同様。
これらのことから、品質は顧客の顔色一つで変わり、高品質が良いとは限りません。
高品質を一番最初に目指すというのは、誤りです。
商品が、どの品質を目指す出来か、そういう商品企画と構想をはじめに考えなくてはいけません。
[お気づきだろうか]
JRの改札周辺で見かけるレンタルスペース。
そう、これ施工が間違っている・・・と思う。写真の手前にある白い機体。空調なんだけど、これ、他の場所のスペースでは、奥においてある。手前に置くと足が入らず、座ることが困難。どうしてこうなった!!! 機器の位値だけで、このブースの品質は最低に転化する。
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