読書感想文 2021年 – みずをくむプリンセス -その①

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みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

2021年、今年も読書感想文課題図書を読んでみた。
小学生低学年の課題図書「みずをくむプリンセス」を読んでみた。
6、7才の子供が読む本なので、ひらがなで絵本形式だ。で、これで800文字、原稿用紙2枚も書けという。
ホント、教育を指導する方々のハードルは高い。
250文字のツイッターですべての情報を伝えようとしている時代に、飾りの無い直球の感動って、500文字ぐらいが限界だと思う。
子供は、大人のようには飾れない。
誰もが800文字を目指すって、どれだけ能力が高いのだろう。
ジョージ・パディエルさんというモデルが話した内容を元に書かれている。彼女は、アフリカ、ブルキナファソ出身。
折しもこの本を読んだ2021年6月6日の朝に、アフリカ・ブルキナファソで抗争で120人が死んだという報道がされていた。
社会的に安定はしていないのかもしれない。
地名としては、マンガ、「ふらいんぐうぃっち」のお土産のTシャツに書かれていた文字が「ブルキナファソ」ぐらいしか見たことがない。(3巻、76ページ)
とにかく、日本からは遠く、人の立場も環境も全く違う国での話しだ。

本は、水道が無い地域で、水をくみに行くという話しだ。
対象が子供なので、水をくみに行く意味がどういうことなのか、補足として、あとがきに地域の状態の説明が書かれている。
あとがきにかかれている ポイントは、
・シャワーもお風呂も無い。
・地球で10億人の人が近くに水か無い生活をしてる。
・水をくみに歩く距離は、平均6.5Km
・水は濁っていて清潔では無い
・ブルキナファソの1/4が綺麗な水を手に入れられない
・カナダの「ライアンの井戸」というプロジェクトの人達と一緒にジョージ・パディエルさんは、ブルキナファソやその周辺に井戸を作る活動をしている

絵本本文のポイントは、
・主人公は、プリンセス・ジージー。
・アフリカの土地でそれなりに自由に暮らしてる。でも、水を近くに引き寄せることは出来ない。
・早朝に母と水をくみにでかける。
・母に起こされて、準備をして出かけるけど、出来れば、水くみには行きたくはない。
・つぼを頭に載せて出かける。
・川について、そこで母親は行列に並び、自分は水をくみに来て、同じように順番を待っている子供達と遊ぶ。楽しいと表現されている。
・水をくむ番が来る。水は茶色く、濁っている。
・帰りはゆっくりになり、家に着く。絵では午後。
・飲み水として、水を湧かして、食事を作り、洗濯をする。
・夕方、父親が帰ってきて、その日初めて水を口にすることが出来る。
・少し元気になり、そして、寝る前にも水を口にする。
最後は、多分、井戸を掘るための活動につながる文だと思う。
~「おやすみ。いいゆめを みてね。いつのひか きっと うちの プリンセスが、いい ほうほうを みつけるわ」
かあさんが いう。~

大人だとこの本から、
・お父さんが帰ってくるまで水は一滴も飲めないこと(飲んでいないこと)。
・川で水をそのまま飲んではいない事(川に行ければ水が飲めるわけではない)
→本の中に持ち帰って飲み水として沸かすと書いてあったり、道中、喉はカラカラという描写があることから。
汚染されていて飲めない、ということだと思う。
そこを読み解くのは難しいし、川の水が飲めない常識を子供が知り得るだろうか。
寄生虫だっているかもしれず、体を洗うことでも、失明や高熱で死んだりする可能性もある。
ただ水を運ぶだけでは無く、『安全な水』ではないという問題もある。だから、川の水をそのまま飲めない。井戸が欲しいという事にもつながる。
井戸は、地中を越されてくるので汚染度が低くなるから。そう言う考察は小学校低学年では難しいので、一緒にいる親が教えてあげた方が良い。
壺を頭に乗せるということに気がつく子供も少ないと思う。
頭に乗せるのは変だと思うだろうけど。
実際に、小学校の2年から始まる掃除の時間に、バケツを持つと判ると思う。
手にバケツを持って歩くのは、バランスが悪くて大変だし、力が必要でバテやすい。頭に乗せる方が、その何倍も楽に運ぶ事が出来る。
気がつくと色々と書けるのだけど、難しい。

内容は上のような感じだけど、日本の小学校低学年の子供は、実直にどう感じるだろうか。
水が飲めるのは当たり前だし、水よりもむしろペットボトルの麦茶とか、ジュース類を多く飲むかもしれない。
水道の水自体を直接飲むのは、学校ぐらいで、家ではほとんど飲む機会も無いかもしれない。炊事や洗濯という水を使う生活とも直面していないので、水そのものがそれほどありがたいと思わないかもしれない。
水をくみに行く中では、シャワーも風呂も、水洗トイレも出てこないから、不便さにも気がつかないかもしれない。
自分の環境を不幸だととらえると、学校に行かずに川まで歩いて行き、日中、子供達と遊んでいられる方が楽しそうと思うかもしれない。
不便だと思うのは、大人的な視点で、子供がどう考えるかが判らない。
そして、大人と違う視点を修正する事は、正しいとも思えない。
水をくみに行く = 環境が悪くて可愛そう
と言う発想は、あくまでもインフラ整備を理解している大人の考えだ。
だから、「水道が無くて、かわいそう。」っていうのは大人の視点だと思うし、大体この絵本からはそう言う事は余り感じない。
今の生活が好き、でも、水をくみに行くのは面倒。
家のお手伝いがイヤって程度に表現されている。
子供にとっては、水が無いこと自体は、そう言うものだと受け入れているのかもしれない。
絵本の中では、夜には アフリカの大地で踊ったり、風とかくれんぼ、犬たちに歌をきかせるという世界や、夜の大きな空、多分、都会の狭い空では無く、どこまでも透き通った夜の空と、どこまでも黒い空に輝く星のコントラストが、曇り一つ無い拾い空に広がっている素晴らしさ、それを大人間隔で行っていると思う。
田舎の夜の暗さと空の広がりを見たことがない子供達は、そう言う星空に疑問すら感じないし、その違いの感動なんて判らない。
両方を見ている大人だから知り得る情報で、このあたりも子供には伝わらないと思う。
はじめの部分の
~わたしの おうこく。そけは・・・ アフリカの そら。とっても ひろいし、すぐ ちかくに あるから、てを のばせば、ほしだって つかめそう。~
これだって、なぜ自分の王国は空なのか。よくはわからない。
アフリカは、インフラ以外にもいろいろ素晴らしいことがありますよ。
そう言う言葉は、伝わらない。と思う。それは難しい。
立場が違いすぎる。
だから、大人が書いたとバレやすいし、それが子供の参考にならない気がする。

ペルソナとしては、小学校低学年の思考は、書かれていることを おそらくはそのまま書くのではないだろうが。
あと、漢字がどこまでかけるか判らない。
中学では、大人に近い思考はあると思う。
ただ、その考え方がまっすぐなだけ。
高校生は、ほとんど大人と変わらない。
素で書ける高校生は、一番書きやすい。
中学も思考は大人と変わらない程度で良いのかもしれない。
小学生が、漢字や考え方がどの程度か判らないし、学年の中にも個人差が大きいと思う。なので、一番判りやすい低学年にしてみた。
その範囲で書く。ちょっとピントをずらしつつ。

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■小学生低学年向け の例
みずをくむプリンセスは、アフリカのブルキナファソで、まいにち水をくむおはなしです。
ジージーは、あさ、お母さんとみずをくみにでかけます。
水をいれるつぼをあたまにのせて、あるきます。
一日中、水をくみにあるきつづけるのは、わたしにはできません。とちゅうでつかれて、やすんでしまうとおもいます。
それをまいにちはこぶジージーは、すごいとおもいました。
わたしのうちにはすいどうがあって、水はいつでものめます。ジュースものみます。
アフリカは、たくさんのひとがかわに水をくみにきます。
ジージーがくむみずは、きれいなみずではありません。土のまじった水です。そのみずをつぽにいれて、いえまではこびます。
いえでは水をわかして、しょくじやのみ水につかいます。
せんたくもします。
ジージーのおとうさんがかえってきて、ジージーは水をのみます。ねるまえにものみます。
ジージーはみずをはこぶいがいに、かわでともだちとあそびます。いえではかぜとかくれんぼをしたり、いぬにうたをうたってあげたりしてあそびます。アフリカのよるのそらは大きくて、ほしがいっぱいあるそうです。
アフリカのほしは、きれいなんだろうなとおもいます。
アフリカにいって、ほしをみたいとおもいました。
でも、水をくむのはつかれるのでいやです。
どうしてジージーは、かわのちかくにすまないのでしょうか。
ちかくにすめば、水をくみにいくのがらくになると、おもいました。

さいごはアフリカのいどのはなしです。
おかあさんがプリンセス・ジージーにいいます。
「おやすみ。いいゆめを みてね。いつのひかきっと うちの プリンセスが、いい ほうほうを みつけるわ」
みんなでアフリカにいどをつくって、水をくみにいかなくてもよくなるように、そうなればいいなとおもいました。
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ここまで、本文748文字。
ちょっと子供過ぎるのかな。もうちょっと書けるのかな。漢字も減らしたけど、どのぐらい書けるんだろ。リサーチしていない。仕事だったら完全にNGだな。
規定の800文字って、大変だ。ニートには辛すぎる課題だ。

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