技術部の壺の中 — Vol. 75 [LPWAが話題らしい]

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みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

920MHz帯の通信がドローンの操縦系やIoTで使われ出した。
ドローに使うのは分かる。コントロールを妨害されないから。
この920MHz帯も2.4GHz帯のISMバンドのように自由に研究しようぜって、
自由に商業化してしまったバンドになりそうな勢いだ。
ただ、2.4GHzのときは、アマチュア無線家の利用バンドとモロかぶりで
さらにアマチュア無線局の5GHzが商業化のターゲットとして、ドローンの
映像通信とかで狙われている。
まあ、アマチュア無線家が激減したこともあり、つかっちまえって勢いかも
しれない。そもそもアマチュア無線は国家資格でハードルが高い。
試験に合格して免許をもらわないと使うことが出来ない。
ところが、最近では、使うのは割と自由になった。
機器認定制度の仕組みで使う人は知識を要求されない。
でも、クルマと同じでクルマが故障で人にぶつけてしまっても、
一端、逮捕される。
機器に問題があって規格外電波を出していると、出している人が処罰される。
裁判で知らなかった、といえば許されるかもしれないけど、使用中は現行犯で
逮捕されてしまうこともあり得る。
恐ろしい。
しかも、アマチュア無線家が電波法を違反すると二倍で罪が重くなる。
知っている人ほど厳しい制度。

携帯電話でそう言うトラブルは聞かないけど、携帯電話もはじめは無線局として
免許を取る時代があった。だけどいちいち免許取っていたら、
普及なんて夢のまた夢。規制緩和されて誰でも使えるようになった。
機器認定を取っている機械を使う前提なので、海外の携帯を勝手に使うと、
無免許でやっぱり重罪に。
ちなみに電波法違反は一年以下の懲役、または、100円以下の罰金と重い。

920MHz帯も省電力通信で広帯域に通信するって事で、
「IoTにびったりじゃない。」とか、
GPSとセットで市民マラソンのとかでどこにいるか分かるし、
チェックポイント通過のチェックが出来るね・・・・なんて話で
LPWA (Low Power Wide Area)が注目されている。
2年前(2017年)、とある作業で真夏にお船に乗せられたときは、
GPSのついたLoRaデバイスを使って、どこまで届くのか・・・なんて事に
付き合わされた。
SF7は4kmぐらい、SF12は14Km以上大丈夫とか。
洋上通信が許されているのか、ちょっと疑問だけど。
(SFの値は、多分、チャネルの拡散数)
とにかく、遠くまで届くけど、データは細いってのが特徴。

規格は、主に3社ががんばっている。
SIGFOXとLoRaとELTRES(エルトレス)だ。
でも、法的な問題があったのです。
日本国は、外国人名義で放送局を持つことは出来ない。
携帯も海外製があるじゃん・・・って事とちょっと事情が違う。
仕組みとして、一端LPWAの端末を集約してから、
携帯の電波で一般ネットワークに接続する機械を海外メーカーが製造している。
これって一種の電話の交換機と同じ事で、日本の携帯キャリアみたいな話だ。
個々の端末を受ける基地局が、外国製になることで、外国名義の無線局が
できあがってしまう。
それで、法律も機器認証みたいにあらかじめ審査を受けた外国人の基地局は
OK!! みたいな感じに今年からか去年? 電波法が変わったらしい。
LoRaの為らしいよ。SIGFOXは京セラがやっているけど、元はおフランス製。
Sonyがやっている日本規格より、なぜか海外生産の方に目は向くから、
なんかうまくいかない。
今なぜこのLPWAの話かというと、
Sonyが2019年5月28日に新しいコントローラーICを発表したから。
通信モジュールは、「CXM1501GR」
ソニーのそれは、富士山から奈良県まで届くらしいぞ。
携帯より遠くに届く電波で干渉が増えないらしい。
すごいな。
遠くに届くって事は、それだけ干渉する範囲も広くなる気がする。
また、収集されたデータがどこに消えるのか、それも注意が必要だ。
大抵、クラウトとか言う雲のマークに集められるけど、その雲がどこの国の
上空にあるのか、まるで分からない。
当然、日本じゃない可能性もある。

使用周波数帯は920.6M~928.0MHzで、38チャネルだけど、
送信にはいろんな制約があって、実は大変なバンドでもある。
そうやって日本国内に向けた産業が日本の会社に有利に働けば、
ハッピーだけど、日本は結構、間違う。

地デジ化は、結局、誰もハッピーにならなかった。
絵がきれいになったから、アナログみたいなストレスはなくなったけど。
規格を作るARIBの規格書がなぜか、英語版は無料で、日本語版は有料。
まじか。
日本語版を無料にして、英語版を有料にしろよ。
誰のための規格で、誰からお金を集めているのだろう。
今年売り出し中の技術だけど、
IoTの設備投資って、いっぱいいっぱいな気もする。

雪崩で遭難した人を助けるビーコン。
米国製の物を導入するために、わざわざ業務用無線やアマチュア無線の
バンドを狙っている人達がいるけれど、LPWAでやればいい。
微弱でなんKmも届くんだぜ。
雪の中で減衰しても届くだろう。
でも、やらない。
そう言う製品が売ってないから・・・。ただ買うだけなのかな。日本は。
アマゾン、バンザイ。

LPWA (Low Power, Wide Area)
LPWAN (Low-Power Wide-Area Network)

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