技術部の壺の中 — Vol. 73 [珈琲メーカー分解しました]

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みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

スイッチを入れると、ゴボゴボとコーヒーを入れ始めるコーヒーメーカーが
朝、冷たいまま発見された。
というか、水がセットされたまま動いていない。マジですか。
と、その場は過ぎたが、コーヒーメーカーを買わないと、と調べると、
意外とお高い。
いや、安い物もあるのだけど、なんとなく中ぐらいのランクを見てしまう。
中ぐらいの人間になりたいと願う私にとっては。
購入はちょっと断念して、お湯を沸かして入れていたが、面倒くさい。
仕方が無いから、少し原因を調べる事にした。
まず、分解します。

コアな部分はこんな感じ。
一万円以下は、みんな似た感じだと思う。
真ん中の白いのが温度センサー(サーモスタット)で、周囲のU字の銀色は
水管とヒーターが一体になった物。
U字型のヒーターが水が通る管を暖めて、沸騰したらその水蒸気で、
お湯が上に上がっていき、コーヒーへ。
ヒーターに水がなくなると負圧になって、給水タンクから水が流れて、
また沸騰してコーヒーへ・・・と、ゴボゴボと少しずつお湯に替えて上がって行く。
この仕組みだから、完全沸騰というわけには行かない。
やや温度が低いし、不均一な水を含んだお湯が上がって行くはずだ。
でも、コーヒーは飲める程度に入るので、結果これで十分なんだな・・・。
そして、熱くなりすぎないように温度調整用のサーモスタットがついている。
この温度は、少し離れているので、バイメタルは60度程度に設定されている。
サーモスタットは、バイメタルを使用して単純だけれども壊れにくい。
だけど、金属板の可動式なので、半導体から比べたらスイッチ可能回数は
はるかに低いと思う。半導体に変えれば良いのに。
コストは全く違うけど。

で、肝心の故障箇所だけど。テスターで抵抗値をはかるとヒーター、
バイメタルは正常。問題は、スイッチで片側に分岐している部分のハンダが
汚かったので、この部分の断線かと思いきや、・・・電気的につながっている。
一応、つけ直しておく。
バイメタル(サーモスタット)までの箇所で断線している。
と、ガラス繊維のチューブにくるまった温度ヒューズを発見。
ああ、これも切れやすい部品だ。
ドライヤーとか、電動工具にも入っている場合がある。
169度品がついていたので、ホームセンターで購入。
リード線をカシメ直して元の場所にセットして、スイッチを入れたときの
抵抗を測定。13オームぐらい。
スイッチオンで、復活。

この手の製品は、バイメタルか、スイッチが薄い鉄板でパチパチする
タイプなので金属疲労で折れるとか、やっぱり温度ヒューズ、というのが
壊れる箇所。可動部品や、保安用に壊れる部品。
そう、注意点はこの箇所。

保安用に壊れる。

つまり、別な問題で、発熱している場合が多いのでその点に注意する。
温度ヒューズは温度との我慢比べなので、使っている打ちに壊れる場合も
有る。だから、直した後に、ほかに問題が有るかは注意する。
それが難しいから、今は修理する電気屋さんがいないのかな、と思う。
でも、ひとまずはコーヒーが飲める。
そんな曇天の一日。

なんか、最近、家のものの修理や分解してばかりだな。
仕事は無いかな・・・・。

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