技術部の壺の中 — Vol. 11 [リチウム電池 – 安全対策]

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みのむしクリップ

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主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

リチウム電池でモバイルバッテリーに使われているのは円筒形が多い。
材質は、アルミ箔と銅箔ベースにカーボンをコーティングした電極を
クルクル丸めてつくる。
アルミ箔って燃えやすいし、スチールウールのたわしと乾電池で
火起こしがチョー楽で簡単って言うぐらい、どちらも大きな電気を流すと
良く燃える。火を付けると元々燃える可能性はある。酸素があればね。
それ以外に円筒形は少し危険なところもある。
クルクル丸めて作られるので、中心部分の温度が逃げにくい。
それに、電解質が分解したとき、逃げる場所があんまり無い。
大体が金属の缶になっているので、内圧が高くなりやすく、
内圧が高いものが破裂すると、音や勢いが大きくなってしまう。
平べったいラミネートは膨れるので、そういうことも少ない。

膨れるのが悪いって言う人がいるけれど、膨れたり破裂することで
エネルギーは小さくなるので(電解質が分解されるから)、安全対策には
なっている。ただ、この時発生するガスは、二酸化炭素や一酸化炭素を
含む可燃性の気体が発生するため、火がつくと燃える。
でも、ガスライターのガスを出しても火がつかない。それと同じで
火がつく条件がそろわないと火がつかないし、ガスの量も少ない。

PSEを取得しているバッテリーバックには、安全回路がついているので、
モバイルバッテリーのUSB端子をショートしても問題にならない。
これは携帯とかの電池も同じで、バッテリーの端子をショートしても
問題は無い。(マイナス側についている2つのFETスイッチで電流を
遮断する)
意外と安全。
じゃぁ、なんで燃える燃える言われるの?
それが、不良率の認識の違い。
良いことは普通でカウントされず、すべての事象の悪いことがカウント
されるので、必然的にNGの数は多く累積される。
自動車事故の数はカウントされるが、この中に
・歩行者の問題、
・車の故障
・運転者の問題
すべてがミックスされてカウントされる。数が増えてしまう。
保護回路の不良や電池の製造不良、使用者の落下などのトラブル、
それらの起因が一つの不具合となって評価されている。

まあ、ユーザー目線では、どんな時でも安全に使える物を求めている
のだけれども。
それに、いろんな不幸の連鎖によって、実際問題は発生しているし。
国の機関のNITEも国民を守るナイト(騎士)として、バッテリーの
安全に注目している。

ただ、ドローン用のリチウムイオンバッテリーは、セル単体で使われ
安全回路が無い製品もある為、これがショートすると危険極まりない。
激しく燃える。
ただ、燃えているのはリチウムではなく、銅箔とアルミ箔だ。
リチウムイオン電池が危ない以前にこの金属2つが危ない。
ても、ドローンオペレータは、一応専門職と言うくくりになるとは
思うけれど。

関連ブログ
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