技術部の壺の中 — Vol. 83 [みちびきに期待しすぎ]

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みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

GPS衛星ったら米国の衛星群のことだけど、
すでにGPSと言う単語がポジショニングシステムの代表だから、
「GPSとれないから、地図に表示されない」とか、そう言う表現で
使われる。
勿論、私的にはOK!! だ。
それを『正しくは・・・』なんて言わない。
ブログ自体、パッパと書いて、ろくに見ずにアップしている。
他人にそんな細かな叱咤を出来るはずがない。
「緩く生きよう、ニートなら」
それが信条だ。まあ、自分勝手なので、いまいま、明日は明日。

そんな不正確の世界と違い、「みちびき」が生存する世界は、
とても厳密な世界だ。
地球の大気の誘電率とか、そう言う誤差が許されない。
GPS衛星を使っての位値の測位は、最大10mぐらいズレる。
「みちびき」が出すL1 C/Aの電波を使っての測位もズレる。
でも、日本独自の補正信号を使うと、より正確になると言うことを
言うから、「みちびき」は、正確だと誤認されている。
基本、ほとんどの機器が、みちびきをGPSの仕組みの一つの衛星として使って
いるので、GPS並の最悪10mのズレの世界は変わらない。
実際の場合、ドローンで自動運転すると通常のコンディションで、
大体40cmぐらいのズレで飛んでくる。
良い場合は、そういうこともあるのだろう。

で、これを建築現場で使う場合は、2cm程度のズレに修正する
らしい。

大気のズレが影響を及ぼすから、それを補正するために位値が
明確な場所で、どのぐらいズレて受信されるか逐次調べると、
その時位値データが正確に分かるという仕組み。
それが、センチ級。
これは、それまでのGPSでもできる話し。(RTK方式)
この補正の情報は

地上での位値ズレだから、携帯の電波やW-Fiとか、
別な通信方法でサービスが出来るし、それを行っている
機関もある。
衛星から送られてくると便利、と言う事で、
受信したズレの情報をみちびきに再びアップロードして、
配信されている。
と、ここが「みちびき」の特徴だと思う。
その前に、
国の機関だしリンクフリーだと思うけれど、JAXAのHPから
抜き出した項目。
(https://qzss.go.jp/overview/faq/index.html)

・みちびき単体では位置情報は取得出来ない。
GPSや他国の衛星を使う必要がある。7機体制になると可能。
———–
これは多分、位値測位は4つの衛星からのデータ受信が必要で、
4機体制の現段階では、出来ない。7機体制で4機受信が出来ると
言う事だと思う。

・FAQの項目
Q. 災危通報は限定されたエリアごとに個別に送信することは
可能なのでしょうか?
A. 衛星から個別の情報を、それぞれのエリアに狙って送信する
ことはできません。受信機側で、受信したデータと自分の位置情報
などを用いて、その情報が受信者を対象としたものと判断した
場合に、衛星からの通知を受信者に表示などで通知する仕組みと
なります。災危通報内の対象地域の情報によりそれぞれのエリアに
合致した情報か否かを受信者側で判断することが可能です。
———–
これだな。
運用から見える特徴は、災害時にメッセージを送れると言う事、
だと思う。
衛星なので、すべての人に同じデータを送出するけれど、
地デジの放送でも区域事に放送は分けることが出来るので、
同じように特定の人に対して、送信する。
端末にあらかじめ登録されている地域に該当する場合のみ
メッセージを伝えるという方法だ。

では、このメッセージが意味することはなにか。
衛星の管理は内閣府。
一部の連絡は一般の人向けでは無く、自衛隊や市町村の公共機関限定、
医療者向けと限定して伝達するのに使われるだろう。
一般人には聞こえない放送が、政府関係者に行われる
という可能性だ。
電話や通信がすべて無くなったときに、衛星に向けて発すると、
緊急時の通信に使える仕組み。
その通信衛星は、4つあり静止軌道だけでは無い。
東海地震発生時に、物資の不足とか、一般の人に言うと
パニックが起きとか、このあたりの仕組みが有効に使われるのでは
無いだろうか。
通信根絶の壊滅的な状態の一つに、戦争がある。
みちびきの目的の一つは、中国にかなり負けている通信衛星の
整備も目的だと思う。

■みちびき利用について
サブメータ級級測位補強サービス(略称:SLAS)として、
例えば、[ある白い犬の端末]は、
通信方式 : LTE / Cat.1
対象衛星 : GNSS、GPS、GLONASS、QZSS、IMES、
QZSS 周波数 : L1C/A、L1S
————–
というスペック。QZSSが、みちびきのこと。
L1C/Aというのは、GPSと同じ方式。L1Sと言うのが補正データだ。
この補正データ、全国の主要なポイントの電波の伝播誤差を
集めて送信している。
(L1-SAIFという表示の頭をとってL1Sと表現)
このデータから、補正データを作らないといけないので、
その計算の差が出たり、計測ポイントの高さで算出する誤差も
出てくる。
成功している例で、この方式の誤差は、1m以内。

センチメータ級測位補強サービス(略称:CLAS)の場合は、
対応機種はそんなに無いみたいだし、完全に軍仕様??
ダイヤマークの会社が、対応している。

対応衛星信号 : QZSS(L1C/A、L2C、L5)
GPS(L1C/A、L2P、L2C、L5)、Galileo(E1、E5)
対応補強信号 :
・衛星配信:QZSS L6
・地上配信:RTCM 2.3/3.2
測位方式 PPP-RTKもしくはPPP-RTK-INS
測位精度 QZSSのL6信号をオープンスカイで受信の場合
・移動体 – 水平位置精度:12cm以下(95%)、
垂直位置精度:24cm以下(95%)
・静止体 – 水平位置精度:6cm以下(95%)、
– 垂直位置精度:12cm以下(95%)
内蔵センサ IMU、気圧計
対応外部信号 車速パルス
———————————
L2Cとか、L5, L6の受信が増えてる。
L2CとL5は、周波数が違う衛星測位のチャンネル、
GPSのL1C/Aと同じ。
1m補正のL1Sの様な補正データでは無い。

L6が実際に受信してズレをフィードバックして送ってくるチャンネル。
この誤差が2cmと言われているやつ。
でも、静止で6cmって言ってる。
かなり良く出来てると思うけど。
また、気圧センサーを搭載している。
車速パルス信号の入力を持っているから、多分、車載で使うと
思うけれど、GPSで不正確になる要素が高さ方向。場所によって地上高は違うから。
気圧センサで上下の移動を先に検知して、修正する為だと思う。
L6を使ったcm級の補正は、10数秒かかるらしいから、早い移動には
補正は無理。
だから、自動運転なんて、この方法だと出来ない。
カメラを使って制御するしか無い。

すぐに利用できる現実的なみちびきの精度は、
1mぐらいなのかと思う。

それ以外は、RTKの仕組みが使われるため、みちびきのデータだけに
頼る意味はあまりないかもしれない。また、わかるのは緯度経度で、
私的には、地図の正確さの方が必要で気になる。
場所は大体わかればOKじゃないかな。
それでも、かなり役に立つ。

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