技術部の壺の中 — Vol. 66 [i-dioの叫び、こっそり3セグ]

The following two tabs change content below.

みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

最新記事 by みのむしクリップ (全て見る)

なんか最近、怒り心頭な事件があって、まともにかけていない状況だった。
まともじゃないのは、いつものことか。
事件については次回、頭が冷えてからが良いかもしれない・・・

世の中、いろんなことがあったり変化があると、大抵思考が多岐にわたり、面白い
アイディアやとんでもない間違いが行われたりする。
そして、それは時間が経った後じゃないと、分からない。

アナログテレビ放送から地デジにシフトした事によって、それまで使われていた
1chから62chの内、13ch~52chをデジタルテレビに振り分けた。
そのチャンネル幅とかは違わないけれど、そもそも大きく区分けして、3つの帯域を
使っていたので、アンテナのタイプも場所によって、3つの帯域が使われるように
なっていた。

大きく分けると、VHFとUHF。
UHFは今の地デジの13 – 52chに使われているので、今はアンテナタイプは一つに
なっている。ただ、場所によって偏波面が違うかもしれない。
アンテナはよく見ると、短い棒が連なって構成されている。
これが横になっているのが、水平偏波。縦になっていると垂直偏波だ。
同じ偏波の方向でしたか受信が出来ない。
(正確には、偏波面が違っても、とれることがある)
地域によって、互いに干渉しないように、偏波を変えていることがある。
たいていは、水平になっている。

なんか難しい感じだけど、今は簡単に試すことができる。
3D映画で使うメガネがあると思うけど、これで液晶画面をみると、どちらかの
片方が見えなくなると思う。どちらも見える場合、ちょっと首を方向けで
90度回転して見ると見えなくなる。
これも偏波を利用して干渉しないようにしている。
(IMAX用のメガネはもう少し複雑な仕組みだけど、向きを変えるとどちらかは
見えなくなるはずだ。)

話は戻って、もう一方のVHFのアンテナ。
これは、2つのバンドを受信できる様に、長い棒と短い棒が組み合わさって
出来ている。VHFのLowとHighの二つ。
VHF – Low = 1~3ch (V-Low)
VHF – High = 4~12ch (V-High)
V-Highは、始め試験的にデジタルラジオ放送みたいなものに使われていたけれど、
その後、一部がmottvに使われていた。(残りは防災無線など)
チデジカ滅亡後の2011年以降のサービスで今はないから、まあそんなスパンで
頑張っていた感じ。
当時、運営会社のmmbiとかに行った記憶がある。
地デジは、ISDB-T方式というけど、ISDB-Tmm方式の放送が行われていた。

V-Lowの方は、1-3chは、アナログ放送の時にFMラジオで音声が聞けた様に
FM局のすぐ隣の周波数で、今はAM補完放送(AMの放送が聞き取りにくい
ところでFM送信で行う)に一部使われている。
(ちなみに、アナログテレビは、音声はFM、映像はAM方式って、ラジオの
FM/AMがくっついた方式だった)

残りは、V-Low放送という、ISDB-TsBという3セグ放送に使われている。
3セグ?? ワンセグじゃないの?? って人は多いと思う。
型式は、ワンセグより、むしろ地デジの13セグ(12セグ)に近い。
周波数の分け方は、ほとんど同じだ。
それを使って、高品位デジタルFM+データや画像付き放送が行われている。
プラス・アルファな部分に惹(ひ)かれたと思うけど、音声だけで無く
番組表や放送音楽の情報、映像も送られている。
目的は、高品位デジタル音声だけど。
ワンセグと同じじゃないの?? と思うかもしれないけれど、技術的には
地デジ放送ぐらい難しいし、電波が弱いと入らない。
そう、一般人には、全く使いにくい存在なんだ。
だから、なんか今では、ネットを使ってやっている。
ラジコじゃん!!!!って突っ込みは、あるかもしれない。

えーーーっ、きっとmottvと同じように無くなるのでは?? と思うかも
しれない。同じ道をたどらないように変化球も用意されている。
災害情報受信ラジオとして、東北の自治体などで使われている。
これは、秘密でも何でも無く、ググると出てくる。
国の事業として、使われているので、防災放送としてV-Lowの利用が
今後増えていくかもしれない。

地デジに変わることによって、その他の事業も変化している。
テレビの上の方のチャンネルは、移動体通信に使われるし、その上の
920MHzは、新しい移動体通信に使われている。
マラソン参加者のシューズに取り付けるタグとか、ドローンの操作用の
電波とか。最近、外国製の無線局の規制が緩和されたのも、920MHz
利用関係が関係している。
とにかく地デジから、ドミノ倒しのように大きく変わりつつあるけれど、
何がダメになったり、生き残るのかは、良く判らない。
だって、どのぐらい僕らの生活に役に立つのか、良く判らないから。

確かに便利なんだろうけれど、便利という言葉が、生活しやすいことと
直結した便利とは言ってはいない事がミソだ。

情報がいち早く見えますよ、という常套句も、情報を受信出来なければ
意味は無いし、そんなに変化を感じる必要が有るのだろうか。
「お父さん、いまマラソンでどこら辺、走っているかなぁ。」
「じゃ、トレースソフトで確認しようか。」
「ああ、今、お台場に入ったところ。」
「Lineでメッセージ送ろう。」
ちょっとした、ストーカーだ。
それが楽しい会話のきっかけになるけれど、無くてもいい。
「お父さん、今日はマラソンだって言ってたねぇ。」
「完走できるかな。順位より完走できると良いね。」
情報がない場合は、話は過程より結果に焦点を置いた話題になるだけだ。
その実、Lineを送られても、父の成績には、何も影響しない。
後日、自分がどんなタイムで走ったのか、見れて楽しい。
そういうこともあるけれど、走った事で完了という場合もある。
無くても、それまでの生活とそれほど違いは無いとは思う。

また、情報を必要としていた人は、そのサービスが終わることに
苦痛を感じるはずだ。
便利とは、始まったサービスが容易に終了しないことだと思う。
ユーザーは、いつもその犠牲になっている気がする。

関連ブログ
技術部の壺の中 — Vol. 61 [doueな事は、しらない]
技術部の壺の中 — Vol. 62 [電子翻訳機]
技術部の壺の中 — Vol. 63 [DNAの叫び]
技術部の壺の中 — Vol. 64 [DNA2の叫び]
技術部の壺の中 — Vol. 65 [DNAと新たな幕開け]

スポンサーリンク