サンタはxboxとともに

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みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

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近所のモスバーカーの店舗に、大量のモスチキンの箱が搬入されていた。
12箱で1箱当たり100本ぐらいは入るんだろうか。年末年始で流通を考えての仕入れかもしれないが、一店舗でこんなに必要なら、日本中のモスに一体どのぐらい搬入されるのだろうか。モスだけではない。ケンタ、ナナチキ、Lチキ、ファミチキそこら中、「チキ」だらけで、「チキン野郎」の私でさえも気が気でならない。
全国のチキンたちは、ブラックな年末を怯えながら暮らしているだろう。
そういう日常の風景から年末を感じつつワンルームの我が家に帰る戸口に「黒いサンタ」がいた。
「やあ、どこ行ってたの・・・タイミングイイね。」
以前、スマホのコネクター修理をさせた野郎だ。
「チキン野郎」の天敵ともいえる「カーネルサンタ」のような体格で、その時点で負けている。
「クリスマスじゃん。だから・・・xbox!!」
ドラえもんのように言いやがる。
とりあえず、クリスマスプレゼントにお古のxbox oneをくれる気になったのか??
スマホも直したことだし。
出されたxboxを受け取る。・・・・本体のみ。
「ジョイステックとかは、自分で買えと??」
と聞いてみたら、とんでもないことを言い出した。
「え、修理に決まってるんじゃん。」
「—– はっ? 」
「なんかxboxの画面が消えてしまって、慌てて調べたら、HDMIのスイッチICを交換すれば治るらしい。だからICも買っておいたよ。サクッと付け替えてよ。」
クリスマスプレゼントではなく、ただ労働。
チキン達と気持ちを共存したい・・・。

それで分解から始まるのですが・・・、話が長くなるので要点だけ。
片側のケースをはずすと、ネジだらけで、どのネジをはずすか、まずは気を付けて。
ねじって、頭の形状がわずかに違う。同じネジは同じ規格、だから同じネジの位置を記録しておくと後で組み立てしやすい。
xbox oneのこの世代の物は、6本ぐらいの長い「通しネジ」で止まっている。
そのネジの箇所をマジックでマーキングしておく。

分解で難関はヒートシンクのはずし方。
でもコツと「てこの原理」を知っていれば、なんてことはない。
細いドライバを用意して、留め具とポールの隙間に差し込み、外側に動かす。
これだけで簡単に外れます。
ただし、慌てて基板に傷を付けないように、ゆっくりと外します。
一応、元の場所に戻すために一か所マーキングをしておく。

で、いよいよ基板からICをはずす。
対象のICは、TIのHDMIドライバ、TDP158。
ICの形状は、40pinのQFNパッケージ。
足がなく、ICのお腹がヒートパットでくっついているタイプ。

まずは、周囲の部品に影響を与えないようにテーピングします。
基板の裏側の部品も落ちないようにテーピング。

そしてブロアーヒーターを使ってはずす時は、さらにカプトンテープで保護をして、ICだけを温めることができる小さなパイプのブロアーを使い・・・・って言いたいところだけど、ICだけを温めるブロアヒーターって、なかなか無い。
そして、失敗しやすい。
だからと言って、普通にブロアで基板をあぶると、このICは外れないし、BGAのメモリとかが外れて、大変なことになる。
で、「私があみ出しました」と思い込んでいる方法。
ICを上から削ります!!

ICを上から削っていき、ICの下のパットがあるところまで削り、その後、ICのベースの層をハンダで温めてはずします。
これであれば、ICのみ加熱され、基板に熱ダメージが起きにくくなります。
はい、写真のように綺麗に外れます。

外したところ

ICは QFNというリード線がないICなのですが、基板のパターンのフットプリントがやたらデカい。デカいので、リワークがしやすい。
なぜかこのICのパットだけデカいので、「あらかじめ交換を考えていましたか??」という感じの設計です。
パッケージ違いのICもないんだよなぁ。

で、お腹のヒートバットに低温はんだを乗せて、温めながら位置合わせ、冷ました後にICの側面を普通のはんだで半田付けすれば完成。
ICの位置合わせがめちゃくちゃ面倒。
温めながらなので、位置はつまようじのような軸をおいてあらかじめ2辺の位置を決めておいてピンセットで固定し、温めてはんだ付けをするという面倒な作業。
正直これが一番めんどう。
何かいい方法があればイイのだけど。

で、組み立てて、画像出力を確認して修理完了。
クリスマスイブの夜に、引き渡す。
『俺がサンタじゃん!!!』

町の夜景(イルミネーション)が目にしみる。


neetでもこのぐらいの仕事はできるので、依頼はニー株へ。

なんてな…….

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