技術部の壺の中 — Vol. 116 [簡易な防犯カメラというけれど]

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みのむしクリップ

みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

最近、バナーでやけに押してくるサイトがある。
safieというクラウドカメラのサイトだ。
語力がないので、「さふぃー??」と読むのかな、と思っていたら、セーフィーってカタカナでHPに書いてあった。英語って難しい。
『安全』のセーフティとの関係かな。
製品は、防犯カメラだ。
どこにでも設置できて、撮った画像データは、クラウド上に上げられる。見るときは、スマホなどでクラウドに接続してデータを閲覧できるらしい。
どこでも設置できると言うことは、携帯の電波を使った製品なんだろ。
使用には、月額1200円の契約が必要のようだ。
携帯の電波(LTE)を使っているのなら、クラウドを使って1200円というのは安いかもしれない。
ファイルサーバを用意しなくても良いから、スタートアップはお手軽だ。
扱う人の技術的な要求もほどんど必要がない。
お店の店長とか、そういう人がターゲットのようで、ニートは金銭的にもノー眼中。月額定額って、スマホだけで手一杯だ。
だけど、盛んにお勧めされる。
ごめんなさい。バナーで責めてこないでください。
その程度で、胃に穴が開きそうなぐらいメンタルが弱いので、死活問題に発展するかもしれない。

使っているブラウザソフトをリセットすれば良いのかもしれないけど、それってなんかユーザーライクな使い方ではない。
一度サイトを見ると追尾してくるのは、webストーカーですか。
表示は広告代として計上されていると思うけど、なんか的外れ。
昔の飛び込み営業的な仕組みで、完全にマイナス効果だと思う。

防犯カメラ関係は、ドライブレコーダーをはじめ、いろいろなところで販売されている。
それまではコストが高く、一般には使われていなかった。
ドライブレコーダーは、大分安くなったので、一般にも浸透しだした。
安くなった理由には、スマホ向けの200万画素、500万~800万画素の受光素子が量産の効果で、安くなったからだと思うし、外観が小さくなったこともある。
昔の防犯カメラはとにかくデカかった。
小さくて、200万、500万画素って、FHDの画質を超え、それなりに綺麗。
使わない訳がない。


カメラの話
カメラのコストと製造については、それほど単純では無い。
まず、受光素子を作る会社がある。
それに画像プロセッサーを作る会社、レンズを取り付けるハウジングの会社を経て、スマホなりの小さなカメラになる。
受光素子は、sonyとかが提供している。
カラーフィルター、プロセッサーICを実装するのは別な会社の場合も有る。
レンズがオートフォーカスの場合は、プロセッサーICから制御が必要なのでソフトウェアとレンズを会わせた調整が必要になる。
選択肢としては、
・解像度をどうしますか?→受光素子を選ぶ
・固定焦点(パンフォーカス)か、オートフォーカスか?
・カラーか白黒か
・画角はどのぐらいの範囲か
その組み合わせで変わってくる。


[解像度]
200万画素は、インカメラ(自分撮り用)として使われる。主に単焦点レンズで使われる。白黒にして、赤外線カメラやマルチスペクトルカメラ等に使われることもある。
500万以上は、オートフォーカスと組み合わせて使われる。
ある程度のQRコードは読み込み可能。
このほかにもCCDとCMOSの違いはあるけれど、今はほとんどCMOSだと思う。
COMSはゾーンでシャッターを切るので、画面上に区分けされている場所毎にシャッターが切られて、その時々の明るさで、色むらが発生する。
勿論、シャッターのスピードは速いので大抵は問題にならないけれど、インバーター蛍光灯や点灯しているLED、高速で動いている物とかでは、変な形で撮影される。飛行機のプロペラがブラインドカーテンの様に横縞で写ったり・・・。
勿論、より速いスピードでシャッターを切ったりする仕組みなどで、調整はされている。

[レンズの構成]
固定焦点とオートフォーカス
固定焦点は、ピント合わせの微調整がいらないので、仕組みが単純になり、コストメリットと耐久性が向上する。
軽くなることや、ピント合わせにかかる時間が無いので起動後、すぐに撮影を開始したり、飛行しているときにピント調整で画面全体がボケて、タイムラグが発生したりすることが無い。ドローンとかの模型飛行機に向いている。
また、振動、衝撃がある物に向いている。
ピントを調節する仕組みがないので、カメラのコントローラーICのソフト的な負担も少ない。
カメラデータは、カメラユニットでJPEGに圧縮されたデータをMIPI等で送信する。
RAWデータの指定も出来る。その場合は画像伝送のMIPIの信号や記憶メディアに負荷がかかるので、画面が小さくなったり、フレームレートが下がったりする事もある。
設定やカメラから今送ったフレームは、こういう条件で撮影しました!!って、情報も毎回、カメラと別につながったI2Cの等の信号線で送られてくる。
だから、カメラコントローラーICは、忙しい。働き過ぎて発熱も大きい。
固定焦点だと、そういうデータも少なくなる。
デメリットは、映像が若干ボケている点だ。
固定焦点なので、どこでもピントが合う・・・・訳ではない。
フィルム上、今だとCMOSセンサー上に写る外からの映像が、このぐらいボケて見えても使えるよね。って考え方で使っている。
かつて誰もが使った『写るんです』もそういう仕組み。
一般的には絞りを絞ると、被写界(被写体)深度が広くとれる(深くとれる)ので、手前何m~無限大までピントが合うよ、と言われる。
像を結ぶフィルムの上で、どのぐらいのぼけが発生しているかを問題にしていて、絞りを絞ると、その「ゆがみ」や「ずれ」が少なくなる。
というのは、あくまでも明るいところから暗いどころまでとれる、目玉の大きなレンズの話。
大きなレンズの端の部分と真ん中とは、屈折の角度が違う。
状態が違うので、入ってくる範囲を絞ると、レンズの状態が変わらなくなるので、ずれがすくになく、ピントが合ってているように見える。
近くの景色は、距離によって位置のずれが発生しやすい。
つまり、近くはボケやすい。
また、大きなレンズの場合は絞りで調節するが、それならはじめから小さいレンズにしておけば良いので、はじめから小さなレンズがついている。(F値11以上)
オートフォーカスは、電磁気でレンズを動かし、ピントを合わせる。
エッジの幅が狭くなるように調節する。
ピントを合わせることが出来るので、大きなレンズで光量が多く、画質がシャープで明るい写真が撮れる。
動かす機構が入るので、振動に弱く、リレーズタイムが固定焦点より長い。

[カラーか白黒か]
これは、カラーフィルターの構成だけなので説明はいらないけれど、シロクロにすると、カラーで1ピクセルあたりに割り振ってきたR/G/Bの素子が使えるので、カラーフィルターをやめるだけで高画質に出来てしまう。
ただ、カメラコントローラーのICの制御も同時に行う必要ががあるので、簡単にはいかない。
また、大抵の場合、赤外線除去のフィルターが入っている。
マルチスペクトルカメラは、これらのフィルターを変更する。
勿論、画像コントローラーICは、フィルターにあわせて、パラメーターを切り替える。コントローラーICがやるのでは無く、命令されてセッティングするだけなんだけど。
夜間監視用のカメラだと、赤外線フィルターのオン/オフ、輝度の調整、ホワイトバランス等の調整をコントーラーICが行う。CMOSは、近赤外線までしかとれないけれど、夜間は近赤外線LEDを照射して撮影すれば、夜間監視用として使える。
日中は太陽の光の中に人には見えない赤外線が含まれているので、その光をカットしないといけない。そのため赤外光を遮断するフィルターが使われるが、コントローラーで輝度調節をする事で、対応する物もある。
昔のナイトショット対応とかはフィルターを使わず、行われていたこともあった。ただ、周波数成分で受光素子が区分けできないので赤外線遮断フィルターをつけないと、色調整がすごく難しいことになると思う。
だから、フィルターを入れたり、外したりした方が、楽だと思う。
これは機械的に行われたりする。
また、つけたままでも、CMOSセンサーの増幅で薄暗い白色光による暗視もある程度できる様になったので、暗視=赤外線という構図が正解では無くなった。
そもそも、赤外線を使って、知られずに撮影することが、防犯カメラに必要な事では無い。
カメラで撮っているぞと言う威圧も必要だし。

[画角]
レンズ設計に依存するので、用途に合わせて用意されるけれど、考え方次第。
郵便局に設置されているパナソニックのカメラは、人を感知してカメラ台座ごと動く。その方が、大きなレンズのカメラやズームや精度を上げることが出来る。
ドライブレコーターの様に広角固定で良い用途や、広角と標準のカメラを複数用意する子とも出来る。最近は、180度のカメラを2つ使い、360度カメラという物も発売されている。
結局は、CMOSセンサーの上に映像を展開する。平面に球面を投影するため、ひずみが出る。それをソフトで修正して使っている。
画角がCMOSセンサーの中に収まれば、その画像は取り込まれる。
画像を小さくして押し込むのはレンズの役目。
補正するのは、ソフト次第。
ゆがみ方が均一であれば、生産時の狂いも少ない。
生産時にレンズの位置ずれやレンズの回転が起こると、生産ミスでトラブル。
また、実データは実際は均等ではなく、ひずんでいる部分とそのままとれている部分と、解像度は一様では無くムラがあるはず。
このあたりは、複数カメラの画像合成や回転ミラーを使ったスキャンとかより精度は落ちるけれど、コストメリットが高いし、使用に問題がある範囲では無いから、この仕組みなんだと思う。
機構も簡素化できるので、壊れにくくなる。運用には向いている。
生産のリスクは、出荷前の画像確認テストは、するだろうけれど。
格子を撮影して、ゆがみの確認をするのだろうと思う。

[昔ながらの防犯カメラ]

とにかく、そうやってコストダウンが行われ、ここまで身近な存在になったに違いない。
必要としている人には嬉しい話だけれども、不要な人には宣伝自体もいらない。
それに、ドライブレコーターと違い、防犯カメラは、タダ記録に残すだけではダメだ。
防犯なので、鍵などのセキュリティや警備、保険の会社がセットになっていないと使いにくい。
事故の場合は、当事者がそこにいて、言い分が正しいかを警察に見せたりして、保険処理の時に有効かとは思う。
この場合も、警察は判断しないので、映像は保険会社が使うのだと思う。
防犯の時も、警察は画像を分析したり、犯人を捕まえたり、操作することは難しい。被害届の処理と記録を残すぐらいだと思う。
被害額が少ないと、現行犯逮捕以外では難しい。
捜査して、令状を取って逮捕、なんてドラマは実現できない。
逮捕状を取るだけ情報を集めるのも大変だ。
犯罪を否定できない現行犯ぐらいしか、チャンスが無い。
だから、警備と保険のセットは、防犯カメラには必要だ。
侵入があったときの対処方法や防犯のアドバイス、傷害、盗難被害の保険での補填。
自転車すら犯人も見つからず、自転車は帰ってこない。
下着ドロボーは何百件も犯行を行った後に、現行犯で捕まる。
人が侵入したら警報がなって、人が駆けつけると言う事で事前に防ぐか、起きたらお金で補填するかになってしまう。
カメラの映像を毎回確認する事も実際は出来ない。
店長はそんなに暇ではないし。
カメラについたAIが随時以上が無いかを確認して、異常があればすぐにデータをアップロードして、画像を転送。
これを昔はスタンドアローンでやっていたが、今は、随時画像をサーバに送って分析させた方が正確?? だけど、伝送量とサーバーのコストが半端ない。分析だって金がかかる。そんなところだと思う。
個別のスタンドアローンで動くAIの必要性は、あるけど、高性能でないと。
幸いネットが使えるので、連係プレイや並列化は可能性がある。
建物内で異常があったら、周囲の別の会社のカメラも連動して、道路を監視するとか。
逃走経路をトレース出来れば、現行犯も可能になる。
でも、日本は他社と連携をとった物は、なぜか周囲の受けが悪い。
同業が邪魔しているのかもしれないけれど。
トヨタと文具メーカーがコラボした『will』とか、盛り上がると思っていたけど、失速した。関連商品買って応援していたのだけど。
ひょっとして、私が応援したから、失速??
まさかね。

今回もずるずると、長いな。

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