技術部の壺の中 — Vol. 101 [テクノロジーはシンプルで]

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みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

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「水抜く時さ、ホースだけで水が出て行くじゃない。
あれって不思議だよね。」
と、とある人がつぶやいた。
説明を聞いても未だに理解できないって言う。
彼女の概念が、『水は高い所から低いところに流れる』って
ことだから、ホースで風呂の水をくみ上げる様に、
水が一端高い所に上っていく理由が判らないらしい。
不思議を不思議として、そのまま感じることは悪い話ではない。
知らなくても、起こっている現実は変わるわけではないから、
そうなるという事を知っていれば、十分だと思う。
その起こっていることは、とてもシンプルだけど、説明が
難しい。
ホースの入り口側の水位と出口の水位を見たとき、
そこに高低差があるから、水は高い所から低いところに流れて
いるだけだといっても、説明は難しい。
それに、ホースが一端高い所に上がっているから、
水が上に上がる為の力が働いていることは、事実。
水の中に沈んだホースの真ん中を持って、空気が入らないように
水の外に出して持つと、持ち上げるほど重く感じる。
実際に、それだけの水を押し上げる力が水にかかっている。
大気が水を押し上げる範囲まではサイホンで水が上がるけれど、
それ以上は上がらない。
勿論、ホースが潰れたり、気泡の発生などで実際に上がるのは、
4~5mが限界だと思う。

見て解る現実も、現象のプロセスを一つ一つ理解してもらって、
説明しないといけないので、とても大変な事だ。
簡単にすると言うだけでも、大変。
飛行機がなぜ飛ぶかは、説明もいくつかのバリエーションを聞く。
翼の形状が特徴で、上の方が速く流れたように見えるからとか・・・。
でも、タタの板でも、斜めにして動かすと上に上がる。
風車だって、板を斜めにした所に風を当てて回している。
だから、それはなかなか難しい。
板や風車の場合は、一部が固定されているから、風邪が当たって、
その抗力で後ろに飛ばされようとするけど、固定されているから、
上に上がるように見えているのかもしれない。

また、説明を簡単にする為の知識も必要だ。
いろんな事をきちんと教えるためには、
教わる方と教える方が、最低限、同じ理解力を持っている必要がある。
遠心力を説明する上で、加速度やベクトルの知識があると、
説明は簡単になる。
だから、説明のスタートとして、基礎知識がどのぐらいあるか、
互いに認識が必要。
万人にマッチした説明なんで、存在しないと思う。

小学校でダンスの授業が始まるらしい。
まあ、多彩な子供達の育成に必要なのかもしれないけれど、
学校って、そんなに多彩かしても意味が無いと思う。
みんな進む道は違うんだし、授業は最小限の必要事項に留めて、
余り奇抜な項目は増やさない方が良いと思う。
また、その後、自分の専門職に就くチャンスを阻害するから。
小学校でダンスは教えても、ダンスを職業として食べていく道は
日本では選択肢が狭いと思う。
小学校全員に教えるのではなく、小学生の時からダンスの勉強が
できて、将来職業にできる仕組みが必要だと思う。

それに、教える側の準備が足りていない。
きちんと教育として教えるのに、素人上がりの教師で良いのか。
芸能人に1ヶ月でXXXがマスターできるか、って番組に似ている。
そもそも、そんな安直にできたとかやっちゃうのは問題だろ。
準備運動が必要とかいっておいて、いきなり演技を始める様な
感じだ。
小学校の体育の先生も、ダンスをしてきたわけではない人も
いるだろう。余りに突飛すぎる。
小学生だからこの程度で、・・・って判断だとしたら、
余りに小学生をなめてるし、やる意味すら疑問だ。

共通の常識を得るための義務教育という概念だと思っていた
けれど、教える方と教わる方のレベル合わせもできていなくて、
多岐に拡散した教育が、目標を失いとりとめが無い方向に
進むのは、明らかな感じかする。
大丈夫??
失うのは、これから学ぶ子供達の未来ではあるけれど。
そして、それに意見できる有識者ではないので、この話は
所詮戯れ言だけど、教える方と教わる方が同じ方向で
響いてこそ、学習の意味があるのではないかと思う。
運動に興味がない生徒が、死んだ目でダンスしている姿は、
なんか、やるせない・・・と、頭の中の空想上の学生が
目の前で踊っていた。

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