技術部の壺の中 — Vol. 38 [マルチスペクトルカメラの進化]

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みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

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一度何かを覚えると、
その技術で一生食っていけるというのが
幻想だと知ったいま、
「ググる」という神のお告げに導かれる。

せっかくなのでマルチスペクトルカメラについて、
調べて見ると市場は結構多様化していた。
閲覧のHPがリンクフリーなのか分からないのと、
リンク切れが有るので、メーカー名とか商品名で
表したいと思う。で、幅もスマホサイズに短く。

オーシャンフォトニクス(株)が出している
「マルチスペクトルカメラ SpectroCam」は、
回転するフィルターがついていて、1つの
レンズとイメージセンサーで、マルチな
スペクトルを撮影する驚愕の仕組み。
サンプルの画像では6枚のフィルターが
ついていたけど、これもっと増やせるかも
しれないし、撮影する波長も割と安価で変え
られるところがいい。
でも、厳密には同時にとれないので、動きが
あるものはズレてしまうかもしれない。

知っての通りフィルターと分光計は違う。
分光はスペクトルが連続しているかどうかも
調べる事が出来るけれど、フィルターは、
特定の波長しか撮影できない。RGBで分けて
いても、それは擬似的に知ると言うことになる。

このカメラはそう言う分光的な部分を精密に
調べる事も出来るので、面白いと思った。
また、測定可能範囲が、1700nmの範囲と
赤外領域が広くとれるのも特徴。

ただ、問題もある。
波長の長い赤外光までをすべてとれるセンサーは
難しく、用途別にセンサーを選ぶ必要がある。
自然光カメラを同時に使うことは出来ない。
赤外光のカメラの解像度は81万画素になる。
ただ、マルチスペクトルカメラの用途からは、
高解像度は必ずしも重要ではなく、35万程度で
問題は無いので、用途別に考えると高解像度と
いえるとは思う。

Espros社という会社の素子は、64ピクセルの
CMOSセンサーを使い(8 x 8のマス目状のセンサー)
一マス(一つのセンサー)上に、1色のフィルターを
置き、64個の色つきフィルターにした板を
センサー状にはって、一度に多くのスペクトルを
捉えるというセンサー。
まあ、明るさスイッチが1個って感じなので、
映像は全くとれません。それぞれのスペクトルの
明るさだけ。
でも、農作物や植物の色を判定する用途には
使えるかもしれません。

こういうセンサーを使っての植物活性の
判定としてはNDVIという値が使われます。
これも実は説的な指示なので、緑フィルターで
窒素濃度や二酸化炭素、その他の説で活性度合いを
しめす指針がいくつか有るようです。

NDVIという値
正規化植生指数で、値が高いほど植物の活性度が
高いことを表しているらしい。
NDVI = ((IR – R) / (IR + R))
IR=近赤外波長帯の強度
R =赤色の波長帯の強度

植物は赤外光や近赤外光を反射して、赤色光を
吸収し、その光と水と二酸化炭素から、糖を
生成して、根でその糖をデンプンに変換する。
(この逆で人は糖と酸素から水と二酸化炭素を
生成してエネルギーを得る)

IRが多く反射してるところは植物が多く、
IRが少ないところは、土が多い→植物が
生きていない。

単に赤色光だけで見ないのは、
例えば緑にペイントされているどころは、
赤外光を吸収して、赤色光も吸収するので、
両方の値が小さくなる。
その違いを式で表したかったからだと思う。
近赤外線/赤外線の画像で白く反射して、
赤色の写真が黒いところが発育が良いという
相関を言いたいためかと。
うん、農業もハイテクだ。ハイテクすぎで
めまいを覚える。

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