技術部の壺の中 — Vol. 13 [リチウム電池 – 春は新人紹介の季節]

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みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

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充電式(二次電池)リチウム電池は、常に進化している。
進化ってのは、過去に失敗した材料を使い出したり、不安定の物が
時代の進化で不安定のまま使えるようになったり、そう言う革新も
多い。危険と常に背中合わせ。

哺乳類も爬虫類から進化したように見えるけど、哺乳類の先祖の
爬虫類は、弱小種族。今のハイブリット爬虫類とは比べものにならない。
その先祖の影響で、哺乳類のほとんどは自然色を楽しめない。

そんな感じで、革新的技術には、過去にあったリスクを内包している。

最近復活の三元素や、研究されている金属リチウム電池もその一つ。
三元素金属のリチウムイオン電池は、ガラケー時代に一部の会社の
バッテリーに使われていた。今のリチウムイオンは4.2Vが充電終値
だけれども、この電池は4.35Vぐらいとちょっと高め。
その分、エネルギーがたくさん入るから、同一体積で容量アップに
いいですよ!!って触れ込みだったけど、結構発熱したし、良く膨れた。
まあ、大体が良く膨れる。
また、メーカーのエンジニアが充電の最後で昔の電池のように
間欠充電を行う使い方をしたりで、特定の機種は良く膨れた。
今は、結構、新型三元素の電池になっている。
まあそれだけ安全性能がアップした証拠だと思う。
もともと容量には有利だったから、モバイル端末向けなんだろう。

金属リチウム電池は、電極のエネルギーとしては有利だったから。
でも、使える電極材がない。
充電式のリチウム電池の歴史は、電極材の開発の歴史といえる。
電解質が水か油かの選定以前から、どの電極が使える使えないが
重要。電極に金属を含まず安全に使用できるかどうか。
その上で、リチウムイオンを使わない金属リチウムの電池は、
扱いが難しくなるので、はじめの選択肢から外れていた。
エネルギーは、何倍も大きくなるけれど、炭素を電極として使える
リチウムイオン電池が安全で、生産向き。
でも、長年の研究で、これもクリアして商品化するらしい。
でも、信頼性はまだ解らない。

ただ、自体は変わっていくので、いつまでも始めに覚えた知識で
判断するのではなく、今起こっている最新の情報を元に判断する
ことが必要。
いつまでも、リチウムは危険とか、レアメタルとか、そういう時代に
とどまることはなく、進化し続ける。
固定概念も、過去の知識もとどまる為ではなく、温故知新の様に
前に進むための原動力でなくてはいけない。

人も車もバッテリーもモーターもすべてが革新していく中で、
昔の車の話を 今の車の進化を妨げる為に使って欲しくはない。

関連ブログ
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技術部の壺の中 — Vol. 11 [リチウム電池 – 安全対策]
技術部の壺の中 — Vol. 12 [リチウム電池 – 燃える原因]

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