ノナカシ
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15日目(8月6日)
5時起床。6時20分出発。
そろそろ出発かという6時前頃自転車で四阿に突っ込んできたおっさんがいた。
(四阿は大きくてチャリも余裕で入れる大きさ)
外は結構雨が降っていて雨宿りに来たことはわかるのだが遍路には見えないし、
近所の人にしてはこんなところに自転車で来るとも思えないし、
おっさんの素性がまったくわからなかった。
おっさんはムスっとしていて何もしゃべらない。
こっちから話しかけないからなのか。
結局筆者が出発するまで会話を交わすことはなかった。
休憩所から道が2つあって車道沿いの道か山道がある。
昨日までの大雨を考えると山道は危険と判断し車道沿いに進む。
すぐにトンネルを通過する。
トンネルは怖い。霊的な意味ではなく、車に対する恐怖だ。
まず、音がすごくでかい。
歩道が無ければ車が体の近くを通過するので怖い。
記憶が確かではないがこのトンネルは歩道が整備されていたと思う。
とりあえず轢かれる心配はない。
トンネルを抜けてしばらくすると雨は降ったり止んだりになった。大雨ではないので足
取りが軽い。
36番青龍寺に到着。
地図を見た感じだと定番の山の上にある感じだったがそうではなかった。
その代わりに長めの階段があった。
ここの納経所は一見するとお守り販売所に見えた。
他にもそういう場所はあったがここはまんまそう見えた。
36番青龍寺を出て一時間も経たないくらいのところに遍路休憩所があった。
たいして疲れてもいなかったが中には畳や布団があったりしていかにも野宿してくださ
いと言わんばかりの作りに思わず立ち寄ってしまった。
すると目の前に住むおばさんからお接待のお菓子をいただいた。
わざわざ家の中に戻ってお茶も入れてくれてありがたい限りだった。
空海はこの辺から舟に乗って移動したらしいという話をおばさんから聞く。
今も巡航船が運行している。
遍路休憩所を後にしてまもなく船乗り場があった。なんとなく行ってみるともうすぐに
船が出るという。
これは大師様の導きだと直感した筆者は船に乗ることにした。
途中いくつか乗り場があったが乗っていたのは筆者一人だけだった。
確か運賃は600円位だったような気がする。
1時間ほど船に揺られて終点で降りたのは横浪という地区だった。
乗ったところからは10kmほどだったので歩くよりは早い。
つまりショートカットしたことになる。
歩き遍路としては乗り物に乗るのは御法度のような気もするが空海もそうしたというの
ならいいだろう。
と自分に言い聞かせる。
船のおかげでこの日目標にしていた遍路小屋に12時半に着いてしまった。
これはさすがに早すぎると思い、あと10kmほど進んで宿を取ることにした。
須崎という街を抜けて15時半に宿に到着。
風呂に入り洗濯をしてあとはのんびり。
持参したタブレットでお遍路した人のウェブサイトを見る。
その人はこの辺から1日で40kmくらい進むようになっていた。
対抗意識を燃やすわけではないのだが、なるべく早く進んでみたいという気持ちはある
。
距離を稼げれば達成感を感じるものだ。
ただ足首の調子がよくはない。