【2日目】遍路の記録

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ノナカシ

1988年生まれ。 大学を卒業後、ニートとフリーターを半々くらい。 歩くことが好きでよく歩きます。 好きが高じて四国遍路、旧東海道&旧中山道(東京~京都)を歩いたことがあります。

2日目(7月24日)

やはり慣れない野宿のせいか暗いうちに目が覚めました。
午前4時。特にすることもなくボーっとする。

だんだん明るくなってきて辺りが見えるようになったぐらいに地元の人たちがちらほらお参りにやってきました。といってもそんなに多くないですよ。トータル4~5人ぐらいです。

「ここで寝てたの」
「頑張ってね」

など声をかけてくれました。

普段生活していると見ず知らずの人と話すなんてことは滅多にありませんが遍路しているといろんな人と話すことになります。これが遍路の醍醐味のひとつなのかもしれません。

納経所が開くまで時間はたっぷりあるのでゆっくりパンを食べたり荷物を整理したり参拝をして時間をつぶします。

7時になり納経を済ませトイレを済ませ歯磨きを済ませ、いざ出発!

9番法輪寺へ

次の9番法輪寺までは2.4km。なんとなく気が楽。
田んぼの中を進んでいきます。なんとも田舎らしい風景。
まだ7時台だが日差しが強くかなり暑い。

9番法輪寺は田んぼのど真ん中にありました。面白い立地です。

一通りお参りを済ませ納経所へ。
感じのいいお坊さんが対応してくれました。
お寺に似合わない綺麗なトイレもあって朝からいい気分。

地図で次のお寺までの道のりを軽く確認し出発。
ちょうどお寺を出たところで昨日の3人に遭遇。
昨日の今日ですがなんかこういう再会ってうれしいんですよね。
歩き遍路した人にはわかるはず。
ちょっと立ち話をしてから筆者はお先に出発。

10番切幡寺へ

1kmくらい歩いたところにお茶とお菓子の無人お接待所がありました。
こういうのは本当にありがたくてついつい利用したくなります。
休憩するには早いのでお茶だけ頂きました。即出発。

10番切幡寺は標高150mのところにあります。
いよいよこれから坂道に差し掛かったところで

「どうぞ荷物置いていってください」

と店先の人に声をかけられました。

やっぱり重い荷物を背負って山を登るのはきついです。
ありがたく荷物を置かせてもらうことにしました。

これから行く10番切幡寺は打ち戻りといって次のお寺に行くのに来た道を戻ることになります。ですから荷物を置かせてもらったのです。

文字通り肩の荷が降りて足取りも軽々しい。
上りといっても舗装された道なのでそれほどつらくはない。
最後に333段の石段がありました。これはきついよね。
お遍路のお寺は総じてこういう最後に上りがあるところが多いです。
これから嫌というほど味わいます。

よし到着。
お参りを済ませて休憩します。
後から例の三人もやってきました。

ここのお寺ではいろんな人と会話しました。

車で遍路している主婦3人組
ハイキングに来ていた地元の人
原付で徳島を遍路しているという地元の人
毎日このお寺まで散歩しているという地元の人

地元の人が多い(笑)当然といえば当然か。
特に散歩の地元の人には12番焼山寺への道のりについて力説してもらいました。聞いてはいたがとにかくきついらしい。

11番藤井寺へ

地元の方たちと話をしているうちにずいぶんと時間が立ってしまった。まあ急いでいるわけではなし良しとする。

例の三人と一緒に来た道を戻っていく。
先ほど荷物を置かせてもらったところまで来た。
荷物の準備をしているとなんと冷たいお茶のお接待。
荷物を置かせてもらった上にお接待まで。
ありがたやありがたや。

そのうちに例の三人は先へ行ってしまっていた。
彼らもどこかに荷物を置かせてもらっていたようだ。

一人になり再出発。
来た道をまた戻っていく。

戻る、戻る、戻る・・・
何かがおかしい。
行けども行けども見えてこない。
歩き遍路にとって生命線とも言える道しるべシールが!

道を間違えている。
そう思った時には1kmは進んでいたと思う。
地図を見てもわからないと判断。
思い切って地元の人に道を聞いてみることにしました。

へんろ道沿いの家にいたおばあちゃんに話しかけた。どうも口頭で説明するのは難しかったようで、とりあえず大きい通りに出てからまた誰かに訪ねてみてということだった。ありがとう、おばあさん。

言われたとおりに大きな通り(といっても片側二車線の県道ですが)に出てみました。ちょうどそこにガソリンスタンドがあり、道を尋ねるのには好都合。早速店員のお兄さんに話しかけた。

どうやらこの県道を真っ直ぐに行ってマルナガというスーパーのところで右に曲がって一直線らしい。ありがとう、気さくな店員さん。

ガソリンスタンドから一キロくらい歩くとセブンイレブンがあり、飲み物を買うために立ち寄る。

話は少し脱線するが、この当時四国にはセブンイレブンが進出しはじめたころで「おっ、セブンじゃん」と思ったのでした。
閑話休題。

飲み物を買って、お湯を入れるポットのところで飲み物の中身を水筒に移していると三十代くらいの作業着を着たお兄さんに飲み物のお接待を受ける。四国ってなんて素晴らしいところなのでしょう。ありがとうございます。

マルナガを目指し歩く。
暑い。

歩くこと一時間くらい、マルナガに到着。
マルナガではなくマルナカだった。
このスーパーマルナカにはまた後にお世話になります。

お店の中に椅子に座ってゆっくりできそうなところが外から見えたのでここで休憩することにしました。遍路地図を見て今日はどこまで進もうかと考えます。道を間違えた精神的ショックから今日は11番の藤井寺までしか行く気がしていませんでした。そして2日目にして宿に泊まることにしました。

出発。
大きな橋を渡る。

もう一回の休憩をはさんで11番藤井寺に到着。先にT田さんが着いていた。後の二人は途中でそば屋によったらしい。

このお寺では団体さんがやたら多かった。もう次に進む気はないのでT田さんとだべりながらここでゆっくりとする。その内にあとの二人もやってきました。

筆者以外の三人は今日もまた同じ宿とのこと。このお寺から一番近くのところにある宿だ。そこまで筆者もついて行き、そこから1.5km位離れた宿に向かう。

明日の備えをするため、途中のスーパーで買い物をする。飲み物、食料、長袖Tシャツ、長い靴下を買い揃える。長袖Tシャツは、長い靴下10番切幡寺で会った地元の人の助言により肌の露出を抑えるためのものです。

そして、宿にチェックイン。ここはビジネスホテルです。
部屋に着いてまずはシャワー。

少し休憩してご飯を食べに行きます。
庶民の味方牛丼屋!

この牛丼屋で軽く恥をかきました。
注文するときのことです。

店員さんを呼びます。
店員さんがやってきます。
筆者はそのわずかな時間に水を飲みました。
これがいけませんでした。
おそらく気道に水が入ったのでしょう。
激しくむせました。
治まったかと思い言葉を発しようとするとまたむせる。
これを3回ほど繰り返しました。
店員さんは普通に笑っていました。
とても恥ずかしかったです。

宿に戻り2日目を終えたのでした。

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