技術部の壺の中 — Vol. 47 [ミリタリースタンダード]

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みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

動作を含む動きに対して、不良は寛大になる話について、
それは、エラーの根源がどこにあると考えているか、
その認識によると思う。
人は間違えやすい。だから、機械よりも人がミスをしたと
思ってしまう。
火縄銃は、銃の先から火薬をいれて、火薬を押し込み、
次に玉をいれる。
火蓋にも火薬をいれる。
もし、玉が出なくでも、それは自分の操作の問題と考えて、
はじめからやり直すと思う。
車の事故も、運転ミスが問題だと思う方が先だから、
車の欠陥は時間を経て発覚する。

そういえば、嘘か本当か品質の始まりは、銃弾の信頼性から
始まったと聞いたことがある。
銃弾を撃つときに、不発弾があるとする。
引き金を引いて、玉が出ないともう一回引き金を引いて、
玉を撃ちなおす・・・ってことは、昔は出来なくで、
その玉を排除して、次の玉を入れで、撃つということをしていた。
当然、不良が増えると相手に撃たれるし、手持ちの玉も減る。
それで、玉を業者から買うときに、検査を行う事にした。
それで、抜き取り検査が作られ、その検査をMIL-STD-105とか
命名されているという話。
ミリタリー・スタンダード→ MIL-STD という表現。

玉は、全数の機能確認を行う、全数検査が出来ない。
それは、玉の機能検査って「撃つ」ことだから。
撃ってしまうと、もう使えない。
だから、全体のいくつかを抜き取って検査するということになる。
同じ種類に、使うと寿命や品質が悪化する電球や電池とかがある。
これらは、納品数の中から一定量抜き取って検査して、ダメならば
そのロットは受け入れない。納品されない。
というのは、使わないと分からないものは、ダメな物を検査して
良くなるということにはならないし、わからないからだ。
確率もあるので、検査の中に多く含まれていたかもしれないから、
せいぜいサンプルの数を増やして見てみるぐらい。
例としては、(MIL-STD-105e)
1ロット1000個の玉の場合、普通は、サンプル数80個で、
それを全部撃つ!! 結果、撃てないのが1発でも有ると、
1000個(80個使ってるけど)は、受け取らない。(ロットアウト)
この判定は、1000個の中に0.1%の不良があるかもしれない場合の
判定基準。
1%ぐらい不良でも良いかなぁ、って時は、80個中2発NGでも
許す。3発NGだとロットアウト・・・って具合に、大分緩くなる。
80個/1000個 = 8%でこれがなぜ0.1%の不良率になるのか、
2発NGでも良いとか、そう言う疑問はあると思う。
これは、1000個のロット判定の数量が501個~1200個の間の
抜き取り数だったり、そもそもはじめは125個の抜き取りから
始めるのが基本だったり、不具合が見つかっても、それが検査で
除かれるので、1%になるということだったり、細かなことは
あるけれど、この場は、この抜き取りが数学と実測による経験から
定められているというところがポイント。
ちなみにMIL-STDはアメリカ陸軍の規定らしいので、国際規格に
置き換わっている。日本のJISもISOとかANSIとかに置き換わっている。
JISはJISとしてあるけれど。

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