タロット占いしませんか?

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みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

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バーの入り口にタロット占いの看板がかかっていた。
タロットというと、「神秘のタロット占い」というように、[神秘]と[占い]が枕詞のようについてくる。
[うらない]って、言葉には、「うらないの館」みたいに、なんとなく[館]がついてくる。
言葉の単語には、それが持つイメージから、そのイメージの言葉が連想ゲームのように付随されて表現される事が多い。
「いたずら好きのサル」、「のんびり屋さんのゾウ」、「不死身のバンパイヤ」。
サルはその言葉でいたずら好きみたいな感じなのに、それをあえて言う。どれも元々持っているイメージをあえて強調して言っていることになる。「大切なことだから2回言いました。」という事なんだろう。

社会が不安になると、人は占いを求めたりするとは聞く。
でも、実際はとても安定したときが長く続くと、閉塞感から
目的を見失い、占いに走る時代感が強いのでは?? と、私は思う。
もしくは、危機が近づいていて虫の知らせ的な不安を感じるから
なのかもしれない。ここでの[むし]は、自分の中にある[気持ち]
らしい。
今のタロットカードのデザインは意外と新しく、1942年らしい。
第二次世界大戦の真っ最中で、制作した二人の姉妹は、共に戦火で
死亡したと聞く。(これは間違えみたい。作ったのは男性で、1
942年に戦争の空襲で死亡。製作を支えた女性が一人という構成。)
彼女たちは、一つの大きな変化をカードに与えたらしい。
それは、「愚者」を”0″番にして、前に持っていったこと。

タロットカードの22枚の絵札は1400年代に作られたらしい。
カードの中に「教皇」や「悪魔」がいる事から、キリスト文化の
影響を強く受けたに違いない。
800年頃に中国から伝わってきたトランプの原型もタロットカードに
影響を与えただろう。
「愚者」はそもそも「何ももたざるもの」「すべてを失った乞食」
として表現されていたらしい。
それは、カードの20番で「最後の審判」を受けて、天か地かの判定、
21番のカードとしてすべてを得る「世界」となるか、
22番のすべてを失う「乞食」となるか。
そういう構成だったらしい。
すごろくみたいなゲームとも聞くし、これには諸説あるのだろう。
22枚のカードも[生命の木]の22の小球からきたとも言うし。
言えるのは、カードも神も、多分、人が作りし”もの”だけれども、
そのものに意味を与えて、恐れや希望を感じるのも人の意思だと
言うこと。

カードの創造主が、カードに支配される運命を感じて、縛られる。
本末転倒何だろうけど、人は自由なときにも、不自由に何かに束縛
されていたいと願ってしまうのかもしれない。

その結果、1942年の戦時中に「乞食」は、「愚者」となり、
“ゼロ”という無の番号をつけて、出発の象徴を与えられたのかも
しれない。そこには少なからず、希望の思いがする。

ゼロという概念は難しく、ゼロを書くことは出来ない。
何もない部屋は描けるけれど、部屋があるし、その中に何もない
ことでゼロをイメージさせる手法にすぎない。
ゼロを「何もないことだよ」と定義づけて描くことができる様に
した事は決まりを作ることで、表現できない世界を示した始まり
かもしれない。それが、今ではひも理論だとか、11次元の世界
だとか、表現の自由にもほどがある。
まあ、人は、そうやって意識の拡張を可能にしてきた。

意味のないカードにも意味を感じてしまうのは当たり前かも
しれない。

おみくじだって、同じ。
まあ、長野の善光寺で、「凶」を引いて、これは何かの間違い・・・
と思い、もう一度「凶」を引いた私は、
「ああ、凶、確定なんだ。」って理解した事はある。
三度目に「凶」を引いたら、もう希望も残らない恐怖から3度は
引かなかった。信じないと言いつつも、人にダメージを与える。
宝くじも当たらないと分かっていても、買って当たらないと残念な
気分になるし、可能性という希望を知らなければ、その反面の
絶望も知らないわけで、買わなければ絶望しない、はずなんだけど、
今よりもっと良い希望があると信じて、占いや宝くじを買う。
はじめから「今より良くなりたい。」って欲望の気持ちで挑んでいる。
買うことで、[良してほしい願い]がそこにあるのだ。

「占い」と「おみくじ」の枕詞は、共に[希望]と[好転]。

ニートの枕詞も、私的には近い意味がある。
戦時中にゼロを与えられた「愚者」は、きっとその時の希望の
何かだったのだろうと思う。

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