読書感想文 2021年 – With you -その①

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みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

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中学生の課題図書は、「With you」と「アーニャは、きっと来る」等、あるけど、「アーニャは、きっと来る」の方は第二次世界大戦のユダヤ人の扱いがテーマなので、テーマとしては、感想文は書きやすい。と、思う。
戦争、人種差別と明確な題材があるからだ。
で、読んでみると、読みにくい。
どちらも200ページを超えるけれど、「With you」の方が、ラノベ的で、かなり読みやすい。会話も多いし、場面も秋から翌年の高校合格発表の期間までの話で、場面もとらえやすい。

ただ、テーマが「ヤングケアラー」という、介護だったり、虐待だったりと今時の話題なんだけど、大人目線では語りやすいけど、中学生目線でどこまで自分達の環境を考えて置き換えるか、その客観視が難しくなる。
どうしても自分自身の体験での感想で、そうなると参考にするのは周囲の友達になるため、微妙な感想になってしまいがちに。
わたしの世代も、北海道の中学で、親が生活保護をもらっていて、地元の高校に進学できずに、滋賀県の工場に中卒で働きに行った子がいた。
生活保護がある方はまだ良くて、生活が不安定で、毎日お風呂に入れず、大衆がきついと言われる子供もいた。
そう言う事を感想部の中で、比較として例に出せないと思う。
周囲にそう言う子供がいない人、そう言う環境にいる人は幸いだけど、それでは進の共感を得られないし、虐待に合っている人や記事を探すというのも、まあ、方法としてはあるけど、複雑だ。
「With you」を読んで、虐待に合っている子供に興味を持ち、新聞の記事をサガ手見ました・・・・ という感想文も、何かやるせない。
実際に救うべきは、直面している人達で、なかば密告的にクラスメードの事を感想文につづるのが、救いになるのだろうけど、それは大人視線で、中学生が書いて欲しい感想文では無いと思う。
『「with you」を読んで、XXXXさんの家がまさにこれだと感じました・・・』
無理だろ。
だから当たり触れなく書いて、まとめるしか無くなる。

この作品で気がついた書き方は、「」の終わりの”。”はつけないと言うこと。
これが今の標準なのだろうか。
教育規定はよく変わるから、今の教え方はそうなのかもしれない。
これは現役で無いと判らないな。
本文中 – 「わかった。約束する」
ルール? – 「わかった。約束する。」
話し言葉だし、句読点だから、確かに最後間のるは不要かもしれないけど。
と言う事で、感想文は、「with you」と同じ、「会話の最後は丸無し」で書いてみる。

[場面設定]は、
主人公、悠人の父親と母親は別居。兄、直人が一人いる。
母親は元公務員、今もパートで非常勤の公務員。父親はプロダクション関係。
兄と母と団地で暮らしている。
兄は、進学校(高校)に進んだ優等生。
自分は、一つランクが下の高校に行く予定。
陸上部をやっていて、違う中学にも同じ塾に通う陸上をやっている友達がいる。
同じ高校で陸上をやろと話をする。
最近顔つきが父に似てきたと言われる。嫌な気持ちになる。
優秀な兄に対する劣等感にはなれてきた。
兄の後を追っていた中学2年までと違い、中学3年の冬に自分なりの生き方を見つけられる予感がしている。
そんな時に、夜、ランニングをした時に、違う中学に通う女子と公園で出会うところから、始まる。

ここで、弟は何でも兄が優先的と思っているけれど、兄は最初にケーキに手を出す時も弟が好きだと思うケーキを選ばずに残しておく、それで今まで自然にケンカにならなかったことや、父と母の関係も男女で互いに絶対的な位置では無く揺らいでいること、兄も弟をどう扱えば良いか試行錯誤をしている事など、
個としての人が、他の人と関係を持つときに探りながら進むコトが家族の中でも行われていることを暗示的に示していたりする。
絶対的な親の位置を原点に置く思考から、家族も含めて、フラットに対応して行くことの必要性を訴えたりもしている。
本の中では『生活がしにくいという主張を子供がまず大人に伝えないといけない

と訴えていて、それによって問題が解決していく。
これが一番伝えたいことなんだと思う。
しかし、本人が主張すること、周囲、近所の大人が気がついていながら、改善に至らないことによる不幸の連鎖は、よく聞く。
大人ですら解決する力を持ち得ないこの問題は、大人もまだ、中学生と同じ子供の立場で居続ける、大人として社会を牽引していく力を持ちたくはない個との表れでもあると思う。
感想文のルートとしては、順当に受け止める派と、社会の大人が子供過ぎるって指摘の2つは感想としてあり得るかもしれない。
あと、面白いのは、高校受験が友達が行くから同じ高校に行くという動機。
学生らしくて良い。勉強は大事だとちょっと書いてはあるけど、未来は友人がいて成立すると言う方向であることだ。

今の社会は、この問題がとても大きい。

ニートで引きこもって一人は、ありがちな鉄板コース。
ネットだけでも共感を得る環境がないと、生きにくいきがする。
人と同じ共感を感じる事で、自分が肯定される思いが、今の社会は不足している。
そして、気がついた時に、再びやり直し学習が出来る環境も不足している気がする。
もう一度学びたいときに、教育を受けることが出来なかったり、何かそう言う仕組みが日本ではあまり缶変えられていない気がする。
体育とか修学旅行とか、高校のカリキュラムとして、分けることは出来ないんだろうか。身体的な理由などもあるし。
一発試験で受ければ良いって言えばそれまでなんだけど。
子供だけでは無く、大人へのケアも足りていない気がする。
こういうのは電子化で、どうにかならないんだろうか。
授業のコピペの為に教師がいるのなら、授業は電子化して国内共通で、理解力の不足を特別カリキュラムで、先生がケアする方式なら・・・飛躍しすぎだ。

With youで出てくる状態や単語は、

[キーワード]
2学期中間テスト終了後の時期。
8時~9時の深夜の公園。
高校進学
髪が短い女子中学生。
思春期の家族の距離感。
天体、星、見上げてみる。同じ時に同じ物を見ることでつながりを感じる。
ヤングケアラー、家族の介護、スクールソーシャルワーカー
自分の事に前向きになる→髪を伸ばす宣言
父親と母親、兄弟、姉妹、友達、同じ高校の意味
大人に話すこと
家のことは、恥ずかしくて、親しい友達には言えない
スマホ
高校受験日とバレンタインデーとチョコ
「同情」と言うことについて
→誰のための感情か。相手のためになることか。

[超単純なあらすじ]
高校受験を来年冬に控えた晩秋、不透明ないらだちをもちつづ、夜のジョギングにでた悠人は、違う中学の学区にある公園でブランコに座っている中学二年生の朱音(あかね)と出会う。
朱音は公園の近くのマンションに住んでいて、公園で会って、マンションまで話をして送る日常が始まる。
その話の中で、母親がくも膜下出血の後遺症で、体の自由がきかないこと、小学校2年の小さな妹の面倒を見ないといけないこと、父親は名古屋に単身赴任で働いていて別居していることを知る。
家事が大変で、中学生として不自由になっていく朱音の生活。
通学に距離があったお嬢様学校から家の近くの公立への転校、ケアが大変で長かった髪を切ったことなどが語られる。
悠人の父親は違う女の人の関係で、母親と不仲になり出て行ったこと、家の経済的な心配、選択した高校が兄と余ランクが下がることで周囲から比較されて言われることへの葛藤で、朱音に近づきたいと感じ始める。
自分の不満を埋めてくれる、もしくは彼女に同情することで自分の傷も癒える気がする。そう言うことが悠人への障害になるのはイヤだという朱音。
同情に対する理解と和解。
そして、悠人の母親に朱音の話を相談する事で、朱音が抱える問題の解決に向かい始める。
不仲だった父親、兄ともそれぞれが持つ気持ちを理解し始め、父親が帰って来て母と一緒に住めば良いと思い始めたりもする。朱音に告白をして、バレンタインチョコをもらい、高校合格、と出来事が重なっていく中で、普通の中学生として軌道修正していくところが表現されている。

と、途中休憩

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