「おじさん」だけど新人さん

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みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

試験時にマスクをきちんとしないとの言い合いになった40代の人の報道がされていた。今の40代から60代は社会で問題を起こすと言われているけれど、それは人口分布も多い世代だからかもしれない。
また、その年代は、平成30年間の日本の進み方に取りこぼされた人達である。
そして、勝ち組と負け組の天と地が別れている世代でもある。
今流行のSDGsで取りこぼさないと言われているMDGsの産物でもあると思う。

テレビのプロフェッショナルとして紹介されている人達は、
『この仕事について、16年目・・・』
『仕事を始めて、12年目の春を迎える・・・』
そんなにやれば、誰でもプロになれるし、プロってそういう熟練が必要。
でも、それは仕事があって、続ける事が出来る環境があればこそだ。
それに対して最近は若い人達が、
「わずか半年でプロとして活躍しています。」
そういう人もいるけれど、それはプロフェッショナルの流儀と言うよりは、『その人はすごい』っていうような個人賛美な仕上がりになる。
そう、彼らは昭和のアイドルと同じで、1億分の1人の存在。
だれもが なれる物ではない。
それに嘘くさい。
やはり人間の心理として、努力して積みかさねていく事に共感を得る。

18年働けば、40代、30年近く働くと50代、40年働くと60代。
60代は定年を迎え、社会での立ち位置が変わる。
しかし長年の経験で得た『成功体験』が、その後の人生でも自信と生きる原動力になる。
ずっと働いていれば、プロフェッショナルとしての権威を失うのは定年後。
しかし、日本はそうではなかった。
社会にリストラの風が吹き、今時の会社は普通に首か配置換えが始まる。
その風に全年齢がぶち当たり、2005年の不況で30才で仕事を離れると、今や45才。その年齢までの間、同じ職種に就けない時代が続く。
仕事が無くなったんだもん。
一兵卒からやり直しになる。
それは、新人とは変わらない。
それだと仕事もつまらないだろう。

そして、いつもピュアな新人が入ってくる。
年老いたポンコツは用済み。
また、世の中には、サラリーマンという専業職はないので、どのような形であれ、何かの仕事を割り与えられる。
また、仕事内容も会社都合で変更される。
そういうことをニュースでよく聞くので、平気で行われているのだろう。
会社が倒産しそうなので、一時的に野菜を作るぐらいはいいが、倒産したり、野菜作りが本業になったら、それは悲しいことだ。
だって、農家の方が数段うまい野菜を作る。
なぜ、市場を荒らしにそこに入り込む。
芸能人の隠し芸大会を見せられている気がする。
芸能人と言うだけで、習得する過程を番組にするけれど、よく考えたら素人が芸を覚える過程と変わらない。

素人芸の困難を見たいのは、社会全体が、偉人の話ばかりで、
「そんなに頑張れたら、こんな普通な生活では無く、偉人になっちゃうよ。」
って、みんな『がんばる』事に疲れているからかもしれない。
そうやって、平成の波に疲れた40~60代は、平成の時代をプロとして成熟できずに育ってきた。
プロになれた人となれなかった人の格差がそこにあるし、もうどうしようもない。
本当は、業種に合わせて会社の方を変えるべきだったんだと思うし、社会がそう動けば、職人は生涯職人として、スキルもアップして幸せに暮らせたのかもしれない。
そんな波の対処は、自己責任の範囲・・・と言うには余りに雑な話し。
波に取り残された漂流物は、流れ着くまま。
無人島に到達したら、そのまま引きこもり生涯を終えるだろう。

そして、毎年自殺者は、二万人を超える。
MDGsの影だと思うよ。
迷える「おじさん」は多いわけで、そして、新人のような『出来ない第一歩』を新しい仕事や職場ごとに踏むわけで・・・
年老いてから、いつも出来ない自分と向き合う生活は、挫折ばかりに見え、絶望も多く、自殺者もでる。
だから、「おじさん」に、社会は優しく接して欲しい。
問題を起こすのが『おじさん』だから無理!! って事もあるとは思うけど。

職種を変えないで生きていける社会が、高度経済成長時に特に特化も決めずに、『サラリーマン』としてひとくくりに扱った平成モデルに引き継がれ、配置転換で働ければ良いじゃん的なスタイルの無理がたたったと思う。
大体、『働ければ良いじゃん』なら、
学生に「将来何になりたいか?」
聞くのがおかしいだろう。
働ければ良いって考え方は、戦時中的な発想でもある。
自分意思はゼロという点で。その思想は、今でも元気に受け継がれているようだ。
人の思想は、そうすぐには変わらないけれど、それは小学生時代の教育にもよると思う。
しばらくは、この泥沼から日本は戻らないんだろうな。

グレタさんがもっと昔にいてくれたら・・・と、17才の少女にすべてを託す人類の選択。
そう考えると、彼女もすでに偉人の仲間入りなんだろう。
そして、その17才の彼女ほど、僕は偉大になれない。

ぼくも、もう少し働きたかった・・・ by ペッパー

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