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アダプターの話のついでに、せっかくだから分解してみた。
なぜ分解するって思うかもしれないけど、やることもないし。
では、一般的なアダプターの外観チェーック。
バッファローは、パッケージはしっかりしている。
PSEマークとかマーク類。
左はPSEマーク。
PSEマークはアダプターは必要だけど、これがAC電源一体の
アクセスポイントとかだと、つけなくて良い。
PSEの縛りに通信機器やIoTデバイスはないため。
あくまでも立法という法整備に準じるので、NITEであろうと
口出し無用らしい。
へんだよね。絶対に違うと思うけど。
個別で売ってるリチウムイオン電池はPSEマークがついているけど、
本体に内蔵されているバッテリーにはついていない。
そう言う縛りがない。
まあ、製品そのもので保証されているから、カバーされているけれど。
PSEには疑問も多い。
自主的に表示なのでマークはついているけれど、本当に全数を
ちゃんと検査しているのか疑わしい会社もある。
全数検査、一台ずつ、すべての台数検査するのがルール。
下の真ん中の番号は、シリアル番号。
一台ずつ検査しているなら、ちゃんと個別に記録しているよね。
って事で、シリアル番号が、本来アダプターに記載されているはず。
これがないと、個体識別できないしトレーサビリティー上の
管理も出来ない。これ、出来ている会社は、全部ではない。
だって、シリアル番号が無いアダプターを見たことがあるでしょ。
さすがはバッファロー。すごいのは、ここだな。
アイコンの家のマークは、屋内で使ってくださいねっていう
室内専用の表示。
右の四角二つは、二重絶縁をしていますという表示。
ACからの電力は、GNDと電源側両方をトランス等を使って完全に
絶縁している、漏電とかの心配も無いですよってはなし。
二重絶縁は、本来規定以上の間隔を開けた強化された絶縁を行っている
という意味。このため、空気で絶縁するために、基板をカットして、
耐圧を高める。でもそれだと、アダプターは電気が変換出来ないので、
大抵、トランスを挟んでトランスの下の基板を部分的にカットしている。
では、サクって、中を見る。
その前に1A負荷時の波形を確認。
同じアダプターを二個使っているけれど、こっちはそれほど悪くはない。
細かなノイズはのっている。
ノイズ成分は、62.5KHz, 400KHz周期で発生している。62.5KHz周期が
たまに大きめに出る個体とそうでないものがあるので、このあたりの
バラツキかもしれない。
この写真の上下の白い線は4.75V~5.25V。
ちなみに秋葉のサイコロアダプター1A品を0.8Aで使用すると、
こんな感じに、3V以下になってしまう。下の白線は3V以下
負荷は抵抗だから、供給できないと電圧がどこまでも下がる。
スマホとかの機器だと、4.5V切ったあたりで電源が落ちる。
スマホが消費しないとアダプターの電圧は復活するから、5Vに戻って
戻ってきたらスマホが復活!! って消費して、また落ちる。
これを繰り返すので、入ったり切れたりが起こる。
そのうち、スマホが壊れる。
では、殻割りします。
中はこんな感じ。
なんか、縦に詰まっている。3層構造。珍しい。
ACをいきなり整流ダイオードで直流に整流して、その後、発振のICと
トランスで電圧を下げる。
昔は、100Vの交流をトランスですぐに7.5Vとかに下げていたけど、
トランスが大きくなるし、商用電源でコイル鳴りが発生して、異音が
聞こえたり、正直50/60Hzだと、変換効率が悪い。
という事で、今の仕組みなんだと思う。
また、出力の電流量に合わせて、トランスの所の発振周波数を
変えていると思う。
変換の周波数を高めすると人の耳に聞こえない周波数になるので、
ノイズも聞こえない。
出力側にフォトカプラー(フォトダイオード)があって、消費が
多いと明るく光り、前段の発振回路の周波数を変化させるという
仕組みだと思う。
この周波数が測定時は、62.5KHzあたりで400KHzは多分この高調波かな。
だいたい6.4倍。
最近だと、300KHzの電源は普通にあるけれど、下の周波数は出ないから、
多分下側の62.5KHzが変換の周波数だと思う。
出力コンデンサは、電解で結構良い物を使っているけれど、小さなノイズが
とれていないのは、チップコンデンサが
後は、二次側のリップル除去。リップルはコンデンサとコイル、抵抗とかを
組み合わせて使います。(スナバ回路とか)
出力インピーダンスが高くならないように、出力側にスナバ回路を
つけるさじ加減が難しい。とはいえ、今時ね、シミュレーターを使って
確認しますよね。多分。
AC突入時の低負荷時に電圧が跳ね上がるのを押さえるですが、ちょっと
弱い感じがする。
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