技術部の壺の中 — Vol. 29 [Googleとゼンリンと]

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みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

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googleマップにゼンリンのデータが、使われなくなっているらしい。
日本の地図が、不正確になるってネットで書いている人もいる。
まあ、地図データを利用して携帯をカーナビとかに使って
いたりする人が多い中、google mapの正確性が下がることは、
ゆゆしき問題かもしれない。

■地図の目的による区分け
地図は、正確ならば正確な方がいいと思われるが、「正確さ」
という概念は人間が信じるか信じないかに左右される。
Bump of the chickenの歌にもあるように
宝の地図を”信じ切った者には”疑いようのない地図になる。
現にヨーロッパ人が日本に始めて来た時代には、様々な世界地図が
あったはずだ。
正確であることを求めているが、より希望が高いものが支持される。
「竜のツノ」とか、「永遠の命の泉」とか、
「黄金の国、ジパング」とか、そう言う記載がわくわくする。

一方で、海底の岩の状態が記された海図は、どこまでも正確で
情報量が多い方が望まれるはずだ。
海流の速度や潮だまりなどの付随する情報も多い方が良い。
しかもリアルタイムな変化に対応できた方が良い。
それはまるで、気象情報を地図にした天気図のような地図が
求められるかもしれない。
従来の概念ではなく、デジタル的な多次元で表現が必要かもしれない。

しんた君の地図

上の図は、Apple、google、しんた君の地図を示したものだ。
(マップを貼っているので著作関係の問題が有る場合は連絡を)
Appleの地図では、釧路湿原は湖になっているけれど、
googleの地図では地面になっている所は違う。
片方の地図を見て釣りができると思うし、片方の地図を見て
湿地探索ができると考えた場合、実際に行ってみて、
どちらかは、がっかりするはずだ。

一方、しんた君の地図は、どこなのかは全く書いていない。
この地図は起点から相対的な距離と方角で描かれた地図だ。
googleの経路案内と似ている。
ただ、書かれているものから、彼が良く行く公園であることが
わかるし、さらに公園の「木の十字架」を探してしまえば、
いちいち地図通りたどる必要が無い。

ここでの話は、どれが優れているということでは無い。
Appleとgoogleは情報が似ているから与えられた正確さだけに
注力してしまいがちだが、これらの相違はおそらく
「誰に地図という情報を提供する」ことの違いだと思う。
Appleの地図は、不正確だと言われているが、都市部の構成は
それほど間違いもない。
それにappleの方が第一印象で見やすい。
東京で言えば、地下鉄の線路が色分けされていて、
Appleの地図の方が見やすい。。
インバウンド=海外旅行者には理解されやすいだろう。
アメリカで利用した”yelp”、4年前には日本での記載が
ほとんど無かったが、最近、爆発的に記載され始めている。
オリンピックの影響もあるのか、こういったインバウンド対象の
サイトが日本で増殖中だ。
地図も、それに伴って、フラットな情報から偏った情報に
変化していくと思う。
そう言う地図に、住宅の詳細な道は必要なく、
むしろ細い道はできるだけ減らした方が簡潔でわかりやすい。
釧路の北に湖があるかないか、それはその地域がどのぐらい
重要かで、また変わってくると思う。

googleは正確さもあり、今までの紙の地図代わりに使っている人も多い。
しかし、住宅地の通り一本一本まで、googleにとって、重要だと
思っているか疑問はある。
ストリートビューの効果は高く、山道までも事前に知ることが出来る。
擬似的に旅に行った気になることも出来る。
つまりは、本来はそれが狙いではないかと思う。
多くの人が行かない場所のデータまで、正確で有る必要は無く、
必要な人に必要な情報だけを伝えた方が、より価値が上がると
考えると思う。
その地図に、写真や行ってみたくなるコメントを集めて、
googleはその分野で大分成功していると思う。
私がgoogleにアップした、タダの崖の写真が一年半で4万回も
見られていた。ただの崖の写真。理由が分からない。
レンガの積み方がイギリス式だからかもしれないけれど、
『地図+何か』という地図に写真などの付加価値要素の要求が
高くなっている。
実際に社会は、これらの要求に応えて地図を変化させている。

しんた君の地図は、しんた君の宝に興味津々の同級生には、
何にもまして欲しいに違いない。

脱走ゲーム、探索ものは、わざと地図の情報を減らして提供する。

建物内の案内も欲しいから、建物のフロア別の店舗情報も、
地図に含めて提供する。

道路の道案の為に地図をデフォルメして、分岐を解り安く表示する。
案内地図に縮尺の正確さという情報は重要ではないためだ。

海図が進化すると気象地図と合わせて、付随する情報を
リアルタイムに提供し出すだろう。付近を通過する船舶が、
海底ソナーで情報を収集して、情報提供の機関がデータを再構築する。
海図も合わせて修正する、など。

物価指数地図、天気図、人出の状況、交通渋滞情報すべてが地図と
関係があるけれど、地図の高低差や縮尺の正確さは必ずしも
必要が無い時がある。

道が細部まで表記されていて、縮尺が正確な地図は
要求があるので、必要な地図だ。
だが、それが地図のすべてではなく、
正確な地図という表現も怪しい。

■正確さを維持するために
正確な地図を提供する為に必要な事が、更新のタイミングだ。
今は、調べる人が調べているが、人がいるところは人が写真を
撮っているので、使用可能のデータの中から、随時、新しい
データに更新できる様にデータベースをつくり、その中から
必要な情報を抽出して対応する事が進んでいくだろう。
まさに、最近のAIが注目される分野だ。

正確さと、一方ではリアルタイム性が重視される。
提供される人とそれに支払われる対価。
GPSと連動のための道のデータ。
とにかく、多くのデータをドンドン蓄積していくし、
そのデータを誰がどう使うかで変わるし、その地図を
利用するために支払われる対価はどうなるのか、
なぜgoogleはタダで今まで提供しているのか。
とにかく疑問がつきず、思考も膨張していく。

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