技術部の壺の中 — Vol. 28 [記憶メディアのこと]

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みのむしクリップ

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主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

銃夢のガリィ[映画アリータの原作]の脳は、
数百年生きていた。ザレム人の脳チップMIDも
たぶんそのぐらいは保つのだろう。
FlashROMのような電荷を利用したメモリーは
確かに何年も保存ができない。
5年が限界。
地震や災害で残ったのは家族の写真・・・・って、
そのアルバムが見えなくなっていることは、
たぶんにある。
もっと保存性の高い記憶素子はというと、
HDDの磁気ディスクの仕組みを使ったメモリや
電解コンデンサみたいな仕組みを使ったメモリは、
既に存在していて、長期に保存が可能だ。
しかし、高密度化が難しく、またFlash ROMの
ような大容量化はできていない。
MRAM, FRAM —
HDDのディスクとヘッドが一体になった素子や、
コンデンサの分極現象を使って長期に記憶する素子は、
割と前からある。
フェリカとかにも使用されている。
「PCとかに使うと超いいね。」とか言われていたけど、
そこまでいかない。
コスト、大容量、安定、消費電力、スピード —
いろんな要素がある。

その昔、コアメモリという丸い磁石を使って
磁石の極性の向きを記憶していた時代もあった。
レーザーディスクよりも磁気を利用した
VHDのほうが耐久性は高かったのだろう。
どちらも死滅したけれど、
テープ、ハードディスクなどの磁気系は、
意外と耐久性が強い。

もっと古い時代では、水銀遅延管が信号を記憶していた。
水銀の波の動きを管の中に閉じ込めて、記憶する方法。
記憶というよりは遅らせることによって時間を稼ぐ方法。
例えば、「やまびこ」みたいな感じだ。
“やまびこ”が響く山の中で、「あっ」っと叫ぶ。
一定時間すると「あっ」っと、自分が言った言葉が
跳ね返って聞こえる。
この原理。

やまびこで声が返ってくるまでの間は、
音が重なることがないので、発音することができる。
ずっと話していても、いいのだけれど、話した声と
聴いた声が重ならないようにする前提条件。
次に、自分の声が返ってきて、
やまびこが聞こえたら、その聞こえた通り繰り返して
また話す。こんな仕組みで、ずっーと繰り返している間、
その言葉は記憶されている。
実際には、水銀管の端にそれぞれマイク(スイッチ)と
スピーカー(振動子)があって、
マイクが波を拾ったら、拾った瞬間、反対側の端にある
振動子を動かして同じタイミングで波を作る。
管の長さが長いほど、記憶できる。
消すときは、振動子を動かなくすればいい。
書くときは、波がないときに振動子を動かして波をつくる。
地震はご法度だ。
お使いの子供やガバティーと同じ。
言い続ける限り持続される。
お使いの子供は、途中で言葉がバグってしまい、
思い出せなくなることもあるけれど、原理はおなじ。

でも、意外とローテクでもないらしい。
昔の銀河の様子を調べるために、
遠くの銀河から放たれた光を観測している。
遠くの銀河の光は、地球に届くまで遅延している。
到達までにかかった時間をさかのぼって
過去の宇宙の様子を知ることができる。
それで、できるだけ遠くの銀河をみんな観測している。
宇宙に光という波で記憶された遅延管のような
それはそれで、壮大な記憶装置。

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