技術部の壺の中 — Vol. 14 [リチウム電池 – 事例]

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みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

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実際に起きている充電式リチウム電池の不具合は、大抵、ふくれる
不具合。燃えるとかは、かなり重度なケースだ。
iPhoneは、バッテリー内部に金属の異物があって、それが電極間の
短絡を引き起こし、電極の金属箔が燃えたらしいと聞いている。
金属箔だから、電気を流すと燃える。
それは過去の一例。
実際、どれぐらい膨れるのだろうか。
勿論、一流メーカーの物を例に出さないと始まらない。
その不具合を例にするから意味がある。
例とするのは、AppleのipodとVAIOのPC。
どちらも使用年数は過ぎているから、メーカーに責任があるといえない。
と、言っておく。(チキン野郎だからね)
iPodの液晶が壊れているというジャンクを2つ購入してみた。
見ると、確実にバッテリーが膨れて、液晶を圧迫していた。
一つは、完全にケースを変形させるほど。


なぜか液晶の裏に電池をおく設計が多い。
タブレットは全面液晶だから、逃げ場無しだけど。
だから膨らむと、液晶のガラスが割れるよ。
一方は、バックライトの偏光板シートが潰れたために発生していると
思う。液晶は平気みたいだ。

分解すると、7mm程度のバッテリーが、12mm程度に膨張。
バッテリーは、3端子で温度センサーつき。サーミスタね。
以外とバッテリー容量が小さくてびっくり。
iPod classicって、省エネなんだね。なんか持ってるiPod nanoより
音も良いし。DACがいいのかな。
こんなにいい製品をバッテリーの5mmほどの膨れがダメにする。
せっかくだから、バッテリーを新しくして、液晶も直そう。

■別な製品
Sonyから独立したVAIOが作ったハイスペックPC…..のハズだけど。
以外とハズレのPCだった。高かったけど。
VAIO Z Canvas(モデル VJZ12A)
わかりにくいけれど、液晶にムラが出始めた。
・・・と思ったら、側面が開きだした。
液晶が割れるのも時間の問題かもしれない。違うPCを買わないと。

誰も不良を作り出したくはない。
だって、客に怒られるからね。リスクも増えるし。
だけど、高度に進化する部品ほど、その過程で品質は安定しないし、
使い方を誤ると問題も起こる。
使う前の評価に時間をかけないと解らないことも多い。
車は2年評価に時間をかけると言われているけれど、安全性が
重要なため。
だけど、電化製品は鮮度が命・・・って思われているけれど、
それって売り込む営業がそう思い込んでいるだけ。
確かに消費者は新しい物に飛びつくし、そう言うレビューや
インスタ脳な思考のひとは、飽きやすいだろう。
だけど、製品を必要として使いたい人は、急ぎはしない。
「早い・安い・うまい」の前に消費者は、「安全・安心」を
求めていて、その前提でメーカー品を優先的に購入している事を
解って欲しい。
100均と普通の焦点に並んでいる400円の物が同じ品質だなんて、
思ってもみないし、そうなら100均を買う。
日本製が安心とか言っているのは、そう言う理由で、
日本製だから買っている訳ではない。
品質が良い方を買うから、このまま行くと品質の良い中国製を
選択することになる。
だから、評価には時間をかけてしっかりして欲しい。
バッテリーごときに製品が否定されてはかなわないだろう。

関連ブログ
技術部の壺の中 — Vol. 08 [相乗効果 – 改良と誤用のマリアージュ]
技術部の壺の中 — Vol. 12 [リチウム電池 – 燃える原因]

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