技術部の壺の中 — Vol. 12 [リチウム電池 – 燃える原因]

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主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。
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過去に例があるリチウム電池の不具合は、
・電池の中に金属の粉が入っていたため、金属粉によって電極間が
ショート(短絡)して発熱した
・保護回路の基板を電池の金属ケース(プラス側)とマイナスの端子に
溶接で接続していた。そのマイナス側の端子の鉄板がプラス側に触れて
短絡して発熱。
・保護回路の基板と電池ケースの間の絶縁が基板の突起物によって
突き破り、電池ケースと接触して発熱。
・チャージャー回路の不備により、規定以上の電流で充電、放電された。
また、充電の停止電圧が、4.4Vを越えた。(1セル4.2V, 4.35Vの電池)
・高温(45度を超える)での環境下で充電が行われ、電池が膨れる。
・放電した後にさらに放電が繰り返され、電圧が極端に下がった後、
充電する事が繰り返され、電極の劣化が加速された。
・ラミネートの外側から強い力が加わり、電極同士の間隔に不均一が
発生し、その割合が大きいため、充電容量の不均一が発生し、
電池内で場所毎の充放電が行われ、急速に劣化を加速させてしまった。
などなど。
Sonyのバッテリーが起こした電池の中の金属粉は今時はほとんどない。
電池パックと保護回路の接合の問題は、作り方しだいで不具合が
発生しやすい。金属端子バリの処理なんかは、実際中国製のセルで
良く目にする。(市販品を分解してみると溶接されている金属端子が
筐体電極と接触する位置にバリがあるものは、見たことがある。)
電気を流すと大抵、発熱する。
とっても雑談だけど、エボルタ乾電池にシャープペンシルの芯をつないで
電流を流すと発熱して紙に火がつく。
片方をハンダにつないで、もう片方をシャープの芯につなぎ、ハンダと
接触すると、ハンダが溶ける。半田付けも出来るかも、というぐらい。
これは溶接の原理と同じ。

リチウムイオン電池の電解質は、そんなに多く入っていないからそこに
含まれるリチウムもわずかで、リチウムはイオンとして存在している。
水溶性。というか、水溶液。
動画で良くあるのは、保護回路を持たない模型用のバッテリーを過充電して
釘を刺して導通させるというもの。
これは、誤解を招いていると思う。
まあ、人様がやることに意見しても仕方が無い。

関連ブログ
技術部の壺の中 — Vol. 08 [相乗効果 – 改良と誤用のマリアージュ]
技術部の壺の中 — Vol. 10 [リチウム電池 – 寿命と充放電]
技術部の壺の中 — Vol. 11 [リチウム電池 – 安全対策]

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