男子メモ

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超私のりこ

「JK文学」と評される乱暴な日常のキリトリが売りの第2期取締役。

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私はどちらかというと
人間にはまず警戒心を抱くほうだ。
バイトのクリーニング店にやってくる
どのお客さんにも、最低限の愛想でやり過ごす。
しかし、お客さんの中でもことさら、子供というのは
そんなバリアに対してなんの遠慮もないものだ。そして彼らは
時に大人よりも難解だ。

わんぱくな兄と、妹が
お揃いの洋服をきこなすかのように夏の日焼けを目立たせ来店。
常連客の夫婦の子供だ。
足をドンドンしたり、
手は、店に飾った装飾品にはやくものびている。
お母さんが、
「足をドンドンしない」というと
男の子は「はーい」といいながらドンドンと続けたので
「こら」と母親から再度言われると
「はーいと言ってから二回やってからやめるようにしてるんだよ」
というでっち上げを説明、
お母さんは呆れてため息をついている。
私はなんともおもしろくて笑ってしまうのだが
子供というのは、こういう
奇想天外を言うものだ。

この前も、別の男の子が
母親から買い与えられたのだろう、りんごジュースを
ストローですいながら
小さなおぼつかない足でやってきた。
見ると、ジュースをもっていないもう一方の手にも
何かを持っていて、それを、私に差し出してきている。
何かと思って目を凝らせばそれは、破れた落ち葉の一片だった。
クリーニングの品伝票かお金しか受け取らない私は
この一葉を前にして、2秒も固まれば
それを目にしたその子はすぐにぷいと違う方向をみて
また興味の赴くままに店を歩く。
私はその2秒をその後30分も悔い、自分はこれだからダメなんだ
と反省する。
なぜあの落ち葉をすぐ受け取らなかったんだろうかと、
いや、受け取ったあとどうすればよかったのかと、
こういったどうでもいいような悩みをもたらすのが
子供というものだ。

さらには、これもとある男の子である。
その子は、連れ添いのおばあちゃんと見える女性に
店にでみつけたすべての「これなに?」「なんで?」を片っ端から口にして
非常ににぎやかな様子だったので
おばあちゃんは「すみませんねうるさくて」と
私に言ってきた。
私は、「いえ、とても賢い子だと思います」と言うと、
それをきいて男の子は一変、
「グギギギギェ!!」と
目をひんむいて壊れ始めた。
横に立っているおばあちゃんは苦笑いで注意したが
この子は本当に賢いと
これをもって感心してしまう。


近所のぶーらん。

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