いつも使う駅の行き帰りに、デパートの広場を通る。
そこは芝生が敷き詰められていて人が座ったり寝転んだり思い思いに過ごせる。
私はいつも羨ましく眺めるも、通り道なので通り過ぎるだけ。何とか芝生と接しようとわざわざそこを歩き土と草のやわらかさを足の裏で感じている。
その日も芝生をあるっていたら申し訳程度に植えられた木の下に痩せっぽちの中学生が少し体を湾曲させて猫のように寝そべってゲームをしていた。
「私も次回あそこで寝転んで本をよもう」と思いながらいつものように足早に駅に向かった。
私の部屋にはいつも植物がいる。 不思議な事の始まりは去年の春。
同僚といったハワイアンカフェでドリンクを頼んだ際、トロピカルな演出のためお花が飾られていた。飲み終わったらこれ、捨てられちゃうんだよな・・と思ったら何だか居た堪れなくなり家に連れ帰った。
ティーカップに水を入れ浮かべたオーキッドの花は愛らしく、以前アロエをミスで枯らしてしまってから植物を敬遠していた私も何だかうきうきした気持になり暫く花と過ごしていた。
そこから、何故か急に花を貰う事が増えだした。
親戚から、実家から、イベントで・・今までそんな事って全く無かったのに。
ある瞑想家の本に「植物は愛。彼らは例え踏みつけられても復讐しない」と書いてあった。
興味を持ち始めて聞いたり調べたりすると面白い事が色々わかった。
友達の放置した自転車の周りに生え出した草が持病に効くものだったりするし、また学者のブログで植物が効率よく光合成するには本来は黒い色が最も適しているのに人が美しいと感じる緑色をしていると。
この間枯れてしまった花を土に埋めた。今まで殆ど自分で買ったことが無かったので何処で何を仕入れようかと思案していた帰り道、芝生のあるデパートで青空市が開催していた。
そんなのやってんの初めて見たし、売っていたのは東北の花だ
僅か数百円で沢山ゲットし(しかも販売者が100円おまけしてくれる!)まさに両手に華の状態でランランと帰宅できた。
私は自分の事全部は好きになれない。でも、植物はそんな私のところに来てくれる。
偶然かな。まあいいや