技術部の壺の中 — Vol. 60 [品質-飛行機の場合]

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みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

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[飛行機編]
飛行機属性の製品は、不良は許されない。
人命を扱うものだったり、人工衛星の様に1台しか使わない
失敗が許されない物だったり、部品点数が多いのに、
耐久年数まで不良率ゼロで有ることが基本。

その分、値段も高い。重要な要素が、値段以外の所にあるので
機能が十分であること、不良率ゼロが最優先される。
医療機器とか、途中で止まるかもしれない人工心肺って、
全く意味をなさないし、止まる可能性を説明しても始まらない。
止まってはいけないから、選択肢にも入らない。
宇宙を漂う人工衛星は、誰も助けてはくれない。
自分でどうにかしないといけない。
どこかが壊れてもミッションが遂行できるような、
バックアップブランを用意しておく。
・多重のバックアッププランの必要性
・量産ではなく、1台とか生産数が少ない →特注品

部品点数が多く、不良になりやすい要因があり、
それをカバーする運用モデルが付随される。
常時点検で、不良が発生しない様にしする。
空港の電球は切れてはいけない。
誘導灯が消えたら、夜間に飛行機が降りられないからだ。
(実際は誘導電波で降りれるけれど)
だから切れる前に交換してしまう。
電車や飛行機の機体もまめに点検される。
不良が出てから交換ではなく、不良が出る前に交換する。
この場合、耐久性がどのぐらいあるのか、事前に知る必要が
ある。設計段階で、その見極めも行う。
QAテストだ。
・製品の耐久性を見極め、
不良が出る前にメンテナンスを行う。

手術のように複数のチェック体制で、器具を体内に
忘れたりしないようにする。
・多重のチェック運用による不具合の回避
医療でもなんとなく使われているFMEA的な手法による
あらかじめ作業システムや製品設計から起こりうる問題を
洗い出して、プロセスから発生しそうな不具合を事前に
チェックすることも必要だ。
・起こりうる不具合を予測して、チェック項目に含める

設計品質を確認する品質テストは、QAが行う。
生産時に製品バラツキがないかのテストは、QCテスト。
中国からやってくる製品に貼られているシールは、QCって
表示されていると思う。
昔は、日本の製品もQCチェックをした検査員の印が
押された小さな紙が入っていた。
それは、自信でもあるし、自己への責任でもある。
生産には、そのぐらいの真面目さがあった。
それが、今ではコストがかかりすぎると一笑される。

まあ、一つ一つのプロセスが積み重なって、大きな製品の
品質になるので、それを軽んじるプロセスでは、飛行機や
安全性が必要な医療器具の生産は出来ない。
日本の競争力の低さは、そう言う風潮かもしれない。
高くても、質が良ければ選択する客もいる。
そのどちらかに傾けるのではなく、バランスを考えて、
いくつかは高いクォリティで提供する事は必要だと思う。

こういう品質は、現場にいる人の方が体感しているので、
バイトの学生の方が、コンサルで来ている教授なんかを
カモれる。
是非、品質を勉強して、ダメな教授を泣かして欲しい。
なんて・・・。まあ、習得して師匠って時代は無いので、
常に探求して勉強して学んだ人だけがプロフェッサーに
なる資格がある。

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