技術部の壺の中 — Vol. 24 [AIのおすすめは、せまい]

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みのむしクリップ

主に電気関係で仕事をしてきたけれど、気が付いたとき、日本の電機の会社ってほとんどなくなっていた......... そんな需要のない今を 日々生きています。

AIに音声で命令したときに、想定される答えは広大だと
想定したけれど、そんなことはない。
攻殻機動隊で
「ネットーワークは、広大だ。」
といって、去って行った草薙素子。
確かにネットの海にダイブすると、それは広大だと想像する。
しかし、実際に飛び込んで見ると、水たまりだったことに気がつく。

ブラウザやYouTubeを開いた時に、おすすめされる世界は、
ありきたりないつも見ている世界。
広大なネットなんて意識させてくれず、いつも同じ画像を
おすすめする。
『おすすめ』、『人気上昇』という囲いが作る「箱庭」。
おすすめは、さらにそれ以上の選択肢を与えてくれない。
おすすめされる世界は、とても狭いのだ。
人の思考と行動範囲を逆に狭くしている一種のマスク行為。
新しい物に出会う選択肢をあえて、逆に限定的にしている。

確かに興味があって、それを検索したかもしれない。
だけど、ブームが過ぎたらもう不要。
元カノ、元カレの面影をいつまでも追う人もいないだろう。
その時々の自分がいるのだ。
ネットによって、「あなたはこれがお好きなんでしょ。」
って、縛りに、うんざりする。
まるで、私の人格をネットが形成している感じ。

まあ、それが間違ってはいないし、人は無意識のうちに
ネットワークという仕組みに誘導されている。

付近の人が検索した言葉が候補に上がってきたり、
ネットワーク辞書で最近の変換例の多い言葉が変換候補に
上がってくる。
そう言う情報を無意識で見ている人は、
それを無自覚のまま受け入れている。
そうやって刷り込みされた意識が
自分の主観を形成していく。

だから、
自分が求める社会、自分が知りたいと考える範囲も
かなり加工された限定的な箱庭の範囲であったりする。
さらには、AI達が機械学習で選んだ情報の偏りを
参考にして学習したAIが作り出した無自覚の偏りの
中にいるかもしれない。

食べ物としてのスイカがはやった後に、スイカ柄から
迷彩模様→ マーブル模様→水玉→ブドウ
来年は、ブドウが売れるとか。
風が吹く日は桶屋が儲かる的な奇怪な転移だ。
でも、AIが決めるから、みんなブドウを買いあさる。
だから、流行がおかしいと言うことにも、気がつかないだろう。

現に今もそうだし。
流行色は、日本流行色協会が決めている。
何がはやるかなんて理由も希薄なのに、
誰も信じてその色を疑わない。
その役にAIがなるだけの話だ。
分析結果という理由が有るだけ、AIの方がましかな。

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