みのむしクリップ
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昔、「愛の国から幸福へ」というキャッチフレーズと共に、電車が走っていた。北海道は電車も含めて、すべて汽車という。だから、電車って言うと路面電車を想像する。
帯広の南に、愛国駅、幸福駅を含む路線があった。大分、昔の話だ。地元の人も汽車が走っていた時代を知らない人が多いだろう。
硬い切符にはさみが入るタイプの切符が売られていて、日付をいれてくるサービスとか、あった気がする。
今では、バスやクルマでしかいけない幸福駅は、観光スポットとして人気の場所だ。
日本の人口は、廃線後も増えていたけれど、地方に人がいないのか、みんなクルマが買うようになったのか、とにかく、勝手に電車が止まる場所から、探さないと行けない場所に変わった。
幸福駅は、道路から見ると、草原の中にオレンジの車両がぽつんと見える、それが目印の場所だ。
愛の国から幸福へをスローガンにしてきた歴史から、ハートのモニュメントがある。
上には鐘がついている。
説明はないけれど、二人でハッピーになるためには、ならさないといけない気がする。
勿論、一人でもハッピーになりたいので、鳴らす事にした。
ローブにはガイドがついていて、左右に揺さぶってもならない。
緩めにローブを持ち、ぐっと一瞬下方向に引っ張って、すぐ力をぬく。インパクトで引け。
すると、ローブは反動でたわんで、その”たわみ”がベルの金属を横に動かず、横を向いたタイミングに合わせて、一瞬引いて力を緩めると、ロープの戻りによるたわみは、より大きくなる。
4回程度繰り返すと、鐘は鳴る。ぶっちゃけ、二人でやるより一人の方がうまくいく。
まあ、今年の夏は、多くのカップルがこの鐘を鳴らすことを願う。
せっかく、幸福駅まで来てくれたのだから、ハッピーになってもらいたい。