赤い命

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超私のりこ

「JK文学」と評される乱暴な日常のキリトリが売りの第2期取締役。

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梅雨がもうすぐそこだ。

年がら年中じめっとした様子で
日々をすごす者、そう私こそが
日頃からのトレーニングの成果をだす
力試し的なシーズンといっていい。
そんな雨の時期が終わると
ただ暑いだけの灼熱地獄、
今、このわずかな時間だけが
夏までの猶予期間だ。
これを季節のモラトリアムだというのは
私が初めての人間であってほしい。
そんなビシっとした気概で梅雨をのぞむ生き物が
他にもいる。
赤くて小さい、
タカラダニ、という生物だ。
ダニらしいのだが
クモみたいな奴なので
クモだと自分に言い聞かせている。
そしてその生体のことは
あまり知られていない。
梅雨といえば、と言った時に
私はこの生き物のことを思い出すくらい
もはや風物詩だ。
数年前
日々の無力さに打ちひしがれていた私は
ふと机の上を楽しそうに這いつくばっている
この赤い命に見入ってしまった。
さっそく調べると
人になんの害もなく
梅雨がおわるとどこへやら、いなくなってしまうという。
もうダニでもクモでもいい、
私はこんなにちっぽけなのに真っ赤に染まった
生き物の不思議を
どれくらい見たかで
下半期を占うという
独自の方法で
梅雨を楽しむこととした。
今年はすでに、3匹見てる。
一匹目は部屋の中で見つけて
コミュニケーションをとろうとしたら
つぶれて死んでしまった。
二匹目は、バイト先で
デカくて邪魔だったので
違う場所に誘導した。
三匹目は、洗面所のところで、
真っ白な洗面台に真っ赤なそいつが
ふらあっと通る、
まさにてんとう虫ほどの
アート性さえ感じさせる歩き。
もしも未来から送られて来ている
新型のスパイ生物だったらどうしようか
というのが最近の流行りの妄想であり
暇つぶしである。
まあいてもいなくても
どちらでもいいのだが。


どこからくるんだろう。

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