今日はべきべきね

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超私のりこ

「JK文学」と評される乱暴な日常のキリトリが売りの第2期取締役。

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ひじょうに良いあんばいで
ブログを書くのがおっくうで
ブログのランキングも落ち始めている。

もはや書こうと思っては書けないということで
書きたくないと思うことにして
日がな一日、べつに、という態度でいても
とくに書く気になったりしないわけで
でも書きたくないわけではないので
いよいよ観葉植物をながめながら
なにを書こうかと相談して
ここに葉っぱができたね、すごいね
といって
夜になっていたりする。
この一日はなんなんだって
思うことが小さい時はよくあったけど
今もそんな一日はよゆうである。
よる歯磨きした後に
芋ようかんたべるのとおんなじくらい
無意味な日は、新しい価値を
付与してあげないと
かわいそすぎるので
奇妙なダンスを人知れず踊ったり
気持ちの悪い絵を描くことに
集中する。
今日はそういう変なパーティーの日でした。
という記憶でぬりかえる。

小さい頃はよく、おねえちゃんと
「べきべきの会」を開いた。
「べきべきの会」は
世界に一つしかない会合で
家族がみんな寝静まった夜に
両親の頭のすぐ横で
アイロン台をテーブルがわりにして
そこで隠れて発明をするという
とてもクリエイティブな会のことだ。
暇を持て余した子供時代
もう誰も、何も相手にしてくれないのなら
「夜」が「朝」に変わる瞬間を
絶対に見てやろうと思って
おねえちゃんに
「今日はべきべきの会だよ」
と言って
ギンギンにさえた目にむりやりまぶたをかぶせて
家族が深い眠りにつくまでの時間を超えた。

「なにべきべきって?」
そう家族がきいてもなんでもないよって
いつも言う。
べきべきっていう名前には、
なんの意味もない。
私が完全にひらめいた名前が
「べきべき」だったのだ。
これだ!と思ったし
べきべき以外ありえない。

べきべきの会は
朝を迎えることは一度もなかった。
まず、始めにアイロン台の脚をひらく時に
金具の部分が
ガチャン!といってしまうので
その音で親がおきて怒られる。
でも、机がないと、会を開いた気分にならないし
台所までいったら
お化けが参加してしまうかもしれない。
「べきべきの会」は
両親のすぐそばで安全にやらないとだめだけど
絶対に誰にもバレてはならないという
ジレンマを背負っている。
そして、私とおねえちゃんが
「膨大な時間」を共に越えようとする
聖なる戦いだ。
結果、アイロン台は
10分くらいかけて
ゆっくりと静かに組み立てないとならなかった。

べきべきの会で作る発明は
紙をまるめてメガホンを作ったり、
液体のりを固まらせて
コンタクトレンズをつくったりする。
実用化にはいたらないものだったけど
きほんは社会貢献を目的としていた。
そして喧嘩ばかりの姉妹でも
夜のハラハラドキドキさえあれば
静かにしていて仲がいい。
もっとも、笑う時
ロクに声を出せないので
出さないように笑うんだけど
そうするとさらなる笑いが押し寄せて
息がくるしくなってつらいっていうのはあった。

真っ暗な中、アイロン台と、おねえちゃんと
そして家族の寝息。
これだけで退屈な時間を
まるごとひっくりかえしてる気分になれた。

そんなべきべきの会も
「今日はべきべきね!」
といってウインクまでして約束して
すっかり本当に眠ってしまうことも度々あった。

そしていつしか飽きてやらなくなった時
私はいよいよ「時間」というものを
嫌いになりはじめた。
歌を作ったり、指であそんだり
しらゆきひめを読んだり
お化けをこわがった。

今現在、私はまだ
時間と上手くやれない。
なんにもすることがない時
会いたい人に会えない時
時間はいつもずるい。
そんな時、ふと
べきべきの会を思い出す。

いつか、ニー株を
私の中のべきべきの会にしてやる。

(◇写真◇は、大人のべきべき。。。。。)

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コメント

  1. 神谷 英明 より:

    僕も姉と同じ様な事やっていました。
    もっとも、名称は『べきべき』ではなかったですが‥‥。

    確か、「姉と弟を交換しよう」「お兄ちゃんと呼びなさい」とかやってましたね‥‥(笑)